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僕らは皆、盲目。

昔、象の一部に触れ、
 
「彼は細長い」
「いや、壁のようだ」
 
と主張し合った盲人たちと等しく。
 
各々、めいめいに正当し合う。
この世界のかたちを。
 
生涯という
欠片ほどの時で舐めた
脆弱なリアルの中で。
 
世界のすべてが
「それ」であるとでも名状し切るように。
 
その一部を抱き締め「全部」と自己催眠し、
内実、抱かれていることにすら気付かず
やがて、こと切れる。

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