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炭を編む。

ワタシの好きなことのひとつに
火おこしがある。
 
 
、、、いや、放火じゃねぇよ。
そうだったらココで言わねぇよ ←
 
 
バーベキューとかをやる時に、
 
 
火をおこし、
 
火を盛り上げ、
 
火を絶やさないようにし、
 
そして尽き、終わらせる。
 
 
上手くはないけれど、その一連の流れの中で
食べながら飲みながら妄想するのが好き。
 
 
炭の一つ一つが、人。
 
全体が企業。
 
そして火おこししている私自身は、
その企業を見守る存在の視点なのかな?
 
 

 
 
はじめのスタートアップの時に活躍するのは、
すぐに燃えてくれる新聞紙や枯れ葉。
 
 
そして、そこから燃え移り、
小さな、本当に小さな炭から
おずり、おずり、と燃え始める。
 
 
はじめから大きな炭は燃えない。
 
少し燃えたかと思っても、
フッとすぐに火は掻き消えてしまう。
 
 
そんな状態の時に、
うちわで風を吹かせても、
逆にその風の強さで火が消えてしまったりもする。
 
 
じわじわ。
 
じわり、じわり。
 
 
そんな時間を刻みながら、
少しずつ、火は中くらいの炭に移ってゆく。
 
 

 
 
そうなると、今度は風が必要だ。
 
 
全体を見守る存在であるワタシが
 
「モチベーーーショーーーーーン!!!!」
 
と叫びながら、狂ったように
うちわで風を吹き荒らせる時だぜ!
 
 
いや、別に組織に対するモチベーションじゃ
ないかもしれない。
 
時流とか、流行とか、とにかくそんな「風」。
 
 
「風」に乗ると、一気に
今までの苦労は何だったのか?
というくらいに火に勢いがつく。
 
 
 
早くても、遅くてもダメな、そんな「風」。
 
 
 
「、、、たぶん、風のタイミングが悪く
 倒れていった企業さんも多いのだろうな、、、」
 
 
そんな妄想をしながら、炭を追加してゆく。
 
 

 
 
さぁ、大きな炭。
 
 
満を持して、彼らがやっと燃え始める。
 
 
このくらいになると、
バーベキューの網の上に
肉を置いて行ける。
 
お肉は、いうなれば「企業」が
お客様に提供できる「サービス」だ。
 
 
お客様のための「サービス」を作り、
それをお客様が食べる。
 
そして「サービス」である肉から
したたり落ちる油が、
さらに火に勢いをつける。
 
 
そう。それが
「アイディア」なのだろう。
 
 
— 
 
 
アルミホイルで包んだ芋なんかも、
炭の中に放り込むこともできる。
 
はじめから入れることはできないけれど、
今なら入れられる。
 
 
まぁ、企業で例えると「縁故採用」的な?
あとで美味しくいただきます的な?
 
 
「あいつ、全然働かないよな」
 
と、炭の間で陰口をたたかれてるんだろうな。
 
 
でもそいつは、バーベキューのラストの方で
お客様の心をつかむ「至高のサービス」に
生まれ変わったりもするわけだ。
 
 

 
 
大きな炭は、「先輩」である小さな炭の
吹けば飛ぶような時期を知らない。
 
「俺が花形だ」
 
と言わんばかりにカッカと燃え、主役づらをする。
 
 
そんな姿を見ると、
 
「大物は、必ず昔がんばった人や、
 日の目を見ていない人に支えられてるんだ、、、」
 
という想いを深くする。
 
 

 
 
場合によっては、バーベキュー台の中で
 
「こっちは火がさかんなのに、
 逆の方は火力がない」
 
なんてこともある。
 
 
そんな時は、火をまんべんなく移したりもする。
 
 
そう。
 
「人事異動」だ。
 
 
うまくいけば、
全体で「サービス」が作れるようになる。
 
しかし下手すると、全体の火力が落ちてしまう。
 
 
腕の見せ所だ。
 
 

 
 
そんなこんなしていると、火が安定してくる。
 
 
あとは、新しい「大型新人」を追加していけば
いつまでも反映する組織ができあがっている。
 
 
しかし、それも束の間。
 
 
バーベキューを食べる人、
つまり「お客様」が、バーベキュー自体を
もういらなくなってゆくからだ。
 
 
お客様に必要とされなくなったら、
どんなに素晴らしい人材がそろっていたとしても、
どんなに組織が完成されていても、意味はない。
 
 
もちろん、新しいお客様を開拓できれば
問題ないのだが。
 
 
、、、、この場合は、
 
「おなかをすかせた、バーベキュー食べたい人」
 
なのだろうか?
 
 

 
 
そうなると、新しい炭は追加されない。
 
 
あれほど勢いのあった「新人」も、
誰にも炎のバトンを渡すことなく、終焉してゆく。
 
昔の情熱を懐かしむように、白く老いてゆく。
 
 

 
 
、、、そんなことを思いながら、
バーベキューの炭を見る。
 
 
企業、あるいは社会、あるいは一人の人間に
想いを馳せる。
 
 
そんな時は、だいたいお酒も飲んでいるから
妄想もふくらむ。
 
 
沈みゆく夕日と、
そこから空を染める闇、そして星。
 
 
 
「人生とは?」
 
「盛衰とは?」
 
「時流とは?」
 
「社会とは?」
 
 
そんなことを疑似体験しながら、
ゆっくりとグラスを傾けるのも、
またおつなもので。
 
 
 
、、、ま、そんなことを妄想して
火の番をしている人なんて、ブキミでしか
ないのかもしれませんが。笑。
 
 
今度、炭火を見たら、
また違った視点でも見られるかもしれませんよ。
 
 
 
ではでは。
 
 
 

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