今までやってきたことをやめる時って
いろいろと迷いが出ることがあると思う。
それが仕事であれ、
パートナーシップであれ、
趣味であれ、
他の人間関係であれ。
自分の中で、
「もう、やめようかな？」
という気持ちが出てきている反面、
「でも、ここでやめちゃったら
もったいないのではないか？」
「これって、結局逃げてるだけなんじゃないか？」
という思いも交錯してしまう。
やめることが「逃げ」になるのか？
それとも「勇気ある撤退」になるのか？
そこまでじゃなくても、
なんか決断できなくて、ズルズルしちゃって
その状況もまた心地よくなかったり、ね。
最終的に決めるのは、いつも自分なので
どうするのがベストなのかは、
本人にしか分からない。
やめた後に事態が好転して、
「あ、やめなければよかった」
なんて思うこともあるだろうからね。
その上で。
もし何かに迷っている時には、
こんな２つの自問が役に立つかもしれない。
自分の心に質問してみて、
その回答を参考にしてみる。
2つの質問、それは。
【 1.今から「それ」を始めるとしたら
ベストコンディションの私はそれを選ぶだろうか？ 】
【 2.将来、「それ」を続けていることは
自分の尊厳につながっているだろうか？ 】
というもの。
ここに入る「それ」は、仕事かもしれないし
パートナーシップかもしれない。
いずれにしても、この２つの質問が
決断のヒントになるだろう。
一つ目の質問は、
いわゆるサンクコスト（埋没費用）に関する質問。
もはや回収が不可能になってしまっているコストについて
リセットして考えなおすための質問だ。
たとえば、
・今までかけてきた費用
・今までかけてきた時間や労力
・今までかけてきた感情
・取り戻すことのできない忘れもの
などがこれに当たる。
たとえばパートナーシップにおいて
「ここまで色々と苦労してきたのに
ここでパートナー解消とかしたら
奪われてばっかりで終わっちゃう」
とか思うのは、完全にサンクコスト。
「このプロジェクト、ここまでやってきたのに
意味がなかったものになんてできない」
なんていうのもサンクコスト。
「新幹線に乗ってコンサート見に来たのに
チケット忘れちゃった。
もうコンサート開始時間になっちゃう」
なんていう場合のチケット代金もサンクコスト。
課金してきたゲームとかも、それだろうね。
こんな「すでに回収できないコスト」のために
さらにコスト（お金や時間や労力、感情）をかけるのは、
相当バカバカしい。
（つい、やっちゃうのだけれど）
なので、
【 1.今から「それ」を始めるとしたら
ベストコンディションの私はそれを選ぶだろうか？ 】
という問いを自分に投げかけることで、
一度サンクコストを置いておいて
冷静な自分を見つめ直すわけだ。
もし今からゼロスタートでも
その人とパートナーになりたいのか？
これからプロジェクトがスタートするとしたら
そこに参入するのか？
チケットを買ってなかったとしたら
そのコンサートを見たいと思うか？
そのゲームを始めるだろうか？
その答えが「はい」ならば続ける。
「いいえ」ならば。。。
というわけだ。
2つ目の質問は、損得でなく感情の話だ。
今、自分が何かに束縛されたり、
虐げられていると感じている時、
それを続けることによって尊厳を保てるのか？
仮に、「それ」がうまく行ったとしても、
その未来に自分の尊厳があるのか？
そこも大切なんじゃないかな？と思う。
憧れの人とパートナーになったとして、
そこで自分が欲しい幸せを得られるのか？
それとも、相手に振り回される毎日が待っているのか？
仮にプロジェクトが成功をおさめたとして
「やってよかった」と思えるのか？
プロジェクトに関わった人たちと
尊厳を交わし合えるのか？
そのプライドは、安いプライドや見栄ではなく
本質的な自分の尊厳なのか？
続けることが、自分が自分でいられることなのか？
やめることが、自分が自分でいられることなのか？
非常に微妙な判断になるだろうけれど、
【 2.将来、「それ」を続けていることは
自分の尊厳につながっているだろうか？ 】
という質問の答えに、決断の種子は宿っているだろう。
さてさて。
最終的には、自分の人生。
仮に「それ」が逃げだったとしても、
トータルで考えた時に
幸せになっているのであれば、それで何の問題もない。
自分の大切な時間を、
何に費やすのが大切なのか？
数年後、数十年後に
「やってよかった」
「やめてよかった」
と自分自身に言えるように。
そう。
あなたが決めたのであれば、
それは「逃げ」じゃないと思うよ。
あなたが決めたのであれば、
それは無駄じゃないと思うよ。
それは勇気だと思うよ。
ではでは。