なんとも物騒なタイトルだが、
興味のある方はお付き合いくださいませ。
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さて、今まで何人か、
いわゆる「サギ師」に会ったことがある。
会っただけで、騙されてはいないが。
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まぁ当たり前だが、サギ師は自分で
「職業?ええ、サギ師です」
とは名乗らないので正確な数は不明だ。
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しかし、会った何名かは逮捕されたり指名手配されているので
実態はともなっていると思う(笑)
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そして「こんな被害に遭った」という話は、
実際に会った人数の十数倍聞いたことがあるので、
いろんなパターンを見知っているとはいえると思う。
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そんな中。
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「さて、最強のサギ師とは?」
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という問いには、明確に答えられる。
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あなたは「最強のサギ師」というと、
どんなイメージをするだろうか?
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コミュニケーション力が高く、
欲望を刺激するのが上手い。
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法律などにも詳しく、頭脳明晰。
そして、冷酷で邪悪。
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そんな感じだろうか?
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ところが、実際の「最強のサギ師」というのは、
そうじゃない。
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いや、厳密に言うと、サギ師と言えるのかも微妙なのだが。
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最強のサギ師とは、
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「その案件がサギだとは、まったく思っていない人」
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である。
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心の底から「この話は、いい話」と思っているので、
誠心誠意、相手のためを思ってサギ案件を勧める。
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なので、必ずしもコミュニケーション力が高いわけでもないし、
自分の欲望は刺激されているが、相手の欲望については
そこまで精通もしていない場合も多い。
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法律に関してはむしろ無知で、基本「いい人」だ。
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ただ、欲に目がくらんでいるので、
押しつけがましいところは出るかもしれないが。
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こういう人は、本当にギブの精神で
サギ案件を布教する。
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そこには邪心がないので、
騙される側も警戒しにくい。
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だいたい背景には悪い黒幕がいて、
その人にコントロールされているのだが、
その事実に気づいていないので、熱心にサギを働く。
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これが最強。
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そして。
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その最強の中でも最強というのが、
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「サギ案件だとは、まったく思っていない上で、
ㅤコミュニケーション能力が高く、
ㅤ人が傷つくということが、本当に分からない人」
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だ。
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もう、魔王だ、魔王。
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そういう魔王の周りにはサギの「中ボス」みたいのがいて、
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「魔王、この案件、いいですよ」
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とサギ案件をもってゆく。
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中ボスは、それはサギ案件の
ポンジスキームだと理解しているのだが、魔王は
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「へぇ!これは素晴らしい商品だね!」
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と、100%信じて疑わず、
信じたまま宣伝をする。
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驚くことに、その魔王には、
悪意という悪意はないのだ。
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意外かもしれないが、本当にノン悪意だ。
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そして、その素晴らしいコミュニケーション力で
多くの人を魅了してゆく。
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しかし、もともとがサギ案件なので、
途中でそのスキームは壊れる。
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当然、文句を言われたり訴えられたりするのだが、
魔王本人としては
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「へー」
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くらいで、何がどう悪いのかが、まったく理解できない。
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だって、本当にいい商品だと思って紹介したのだから。
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そして、
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「お金を奪い取られると、人は傷つく」
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ということを1ミリも理解しないまま、
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「ボス、これ、また新しい案件なんですが…」
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と中ボスに勧められたものを
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「これはすごい!」
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と、紹介してゆくのだ。すごいよね。
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そういった魔王は、たぶん自分が逮捕されても
何故なのかが理解できないんじゃないのかな?
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なので、反省ということもしない。
ってか、できない。分からないのだから。
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さてさて。
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ぶっちゃけ、私はそんなに騙されたことはない。
どんなに隠していても、悪意がにじみ出るのが分かるからだ。
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しかし、この「最強タイプ」の場合、
見破るのが難しい…というか、見破れない。
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なので、案件自体の矛盾を探すしかないのだが
仕事の関係性とかもあると、さらに難しくなる。
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魔王クラスになると、もう手が付けられないだろう。
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なので。
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本当にみんな気をつけてな!
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ちなみに、サギじゃなかったとしても、
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「コミュニケーション能力が高いのに、なぜか
ㅤ人が傷つくということに関してはセンサーが壊れている」
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という人は、たまにいる。
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そういう人に反省を求めても、
たぶん期待するような反応は得られないだろう。
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不用意に近づかないことをお勧めいたします。
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ではでは。
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