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「セールスが苦手なタイプで」という逃げ。

だいぶ昔の話を、なぜか思い出したのだが。
 
 
セールスや集客についてのセミナーをやっている時に、
 
「私、商品を作ったりするのは得意なんですけれど、
 セールスするのは苦手なタイプなんです」
 
「自分がセールスするのもですし、
 誰かから強くセールスされるのも苦手なタイプです」
 
と、たいへん雅におっしゃる方がいた。
 
 
それに対し、ワタシはニコニコしながらも、
「そんなの当たり前だろこの野郎ぅ!」
と内心で毒づいていた。
 
顔は仏で、肚は鬼である。
 
 
というのも、その言葉に、
何重にも自分を守って逃げている感じがしたからだ。
 
もちろん、気持ちは分かる。
分かりすぎるほど分かる。
 
私だってセールスが得意かと言われれば、
別にそんなことはない。
 
断られたら普通に傷つく。
 
できれば全人類に拍手で迎えられたい。
なんなら赤い絨毯もササーっと敷いてほしい。
花びらも舞っていてほしい。
 
でも、そういう話ではない。
 
 
その人が苦手なのは、
実のところセールスではない。
 
苦手なのは、
 
「断られること」
 
であり、
 
「断ること」
 
だ。
 
 
そんなの、誰だって苦手だ。
 
「私、自分のことを否定されるの、
 めっちゃ得意なんです!」
 
「告白してフラれた時の、あのエクスタシー!
 たまらないっスよね!」
 
なんていう人間は、
ド変態ドMか、修行僧の最終形態しかいない。
 
 
誰だって、断られるのは好きじゃない。
自分を否定された気持ちになるからだ。
 
 
仮に、
「絶対、100%買うのが分かっている人」
にならば、
「セールス苦手」と言っている人も、
きっとセールスするだろう。
 
先方が、
「どうか100万円出させてくれ!」
と前のめりで、鼻息フンフンさせていたとしても、
 
「あ、私セールス苦手なタイプなんで、
 タダであげます」
 
と言うのであれば、
それは「タイプ」と言ってもいいかもしれない。
もはや、それは商人の道と言うより
仏の道な気もするが。
 
 
しかし、そうでないのなら。
「セールスが苦手なタイプ」
という自己評価は、多くの場合、
 
「断られるのが怖い」
「断る時に嫌われるのが怖い」
「自分の商品を差し出して、判断されるのが怖い」
 
という状態を、
少しだけオシャレな紙で包んでいるだけなのだ。
 
ラッピングはきれい。
中身は恐怖。
ギフト名は「私ってこういうタイプなんです」ってことだ。
 
 
もちろん、それが悪いわけではない。
 
怖いものは怖い。
断られるのはイヤだ。
自分が傷つく可能性がある場所に、
わざわざ出ていくのはしんどい。
 
ただ、それを
「タイプ」
という名前で保存してしまうと、
いつまでも変化しない危険をはらむ。
 
 
「セールスが苦手なタイプ」
と自己評価しているのは、
「断られるのが苦手なタイプ」
と言っているのと、ほとんど同じだ。
 
そしてそれは、
 
「水を飲まないと喉が渇くタイプ」
「夜中にジャンクフードを食べると太るタイプ」
「夏にエアコンがないと暑いと思うタイプ」
「お金がないと不安になるタイプ」
 
と同義である。
 
当たり前のことを、
わざわざ「タイプ」として囲っているだけなのだ。
 
人類共通項目に、
マイプロフィール感を出しているだけである。
 
 
ちなみに、
「コンテンツを作るのが得意なタイプ」
というのは、いるかもしれない。
 
実際に、作るのが上手い人はいる。
そういう才能は確かにある。
 
 
ただ、それが
 
「集客やセールスに比べると失敗しないから」
「好きなことをやっていればいいだけだから」
「誰からも断られない場所にいられるから」
 
ということになってくると、
それはビジネスというより趣味に近い。
 
もちろん趣味は素晴らしい。
 
趣味、最高。
趣味がある人生、豊か。
 
しかし、本人が
「これはビジネスです」
と言うのであれば、
ここを混同しない方がいいかな、とは思う。
 
 
じゃあ、セールスをどう捉えればいいのか?
 
個人的には、
「選択権提示」
だと思うのがいいかと思う。
 
セールスとは、
相手の財布をこじ開けることではない。
 
そうではなく、セールスとは、お客様に対して、
 
「これ、あなたに役立つかもしれません」
「必要ならどうぞ」
「いらなければ断ってください」
 
と、選択肢を提示することだ。
 
 
極端な話をしよう。
 
たとえば、来週になったら
間違いなく、確実に10万円が
手に入る権利を1万円で売るとする。
 
それでも、断る人は断ってくる。
 
 
でも、その時に我々が思うのは、
 
「え?なんでこんな話を断るの?」
 
か、
 
「あー、お金にまったく興味ないんだ」
 
か、
 
「今、手持ち1万円もないのかー」
 
くらいで、
そんなにショックは受けないと思う。
 
 
でも、自分の自信のある商品って、
本人の中では、これに近い感覚があるんじゃない?
少なくとも、必要な人にとっては。
 
 
提案した時に、
 
「え?なんでこんな話を断るの?」
「あー、このジャンルにまったく興味ないんだ」
「今、タイミングじゃないのかー」
「今、手持ちがないのかー」
 
くらいに肚の底から思えるオファーなら、
そこまで傷つかなくて済む。
 
 
もちろん、実際にはちょっと傷つく。
人間だもの。
 
でも、それでも、
人格そのものを否定されたわけではない。
 
ただ、その人にとって、
そのタイミングで、
その商品が必要ではなかった。
 
それだけのことだ。
 
 
だから、
「コンテンツ作りが得意」
であるのならば、
それくらい自信を持てるところまで磨けばいい。
 
そして同時に、
磨きながら出せばいい。
 
 
こ・こ・が・大・事・MANブラザーズ。
 
 
「自信が持てるまで磨けばいいじゃん?」
と言うと、
そのまま学びの洞窟に引きこもる人もいる。
 
「まだ足りない」
「もう少し学んでから」
「もっと完璧になってから」
「あと3つ資格を取ってから」
 
なんて言いながら延々と洞窟でカンカンやる。
それはそれで、もったいない。
ってか、少なくともビジネスではない。
 
 
なので結局、
「いいから、やってみ?」
が早かったりもするから、ややこしい。
 
 
さてさて。
 
 
セールスが苦手、は分かる。
本当に分かる。
 
が、
「セールスが苦手なタイプ」
は、ちょっと違う。
 
それは多くの場合、
心の中の恐怖から逃げるために、
自分に貼ったラベルだ。
しかも、ちょっと納得感のあるラベルだから厄介だ。
 
「私はこういうタイプなので」
 
と言うと、
それ以上踏み込まれにくい。
便利。
とても便利。
 
しかし便利な逃げ道は、
使い続けると立派な生活道路になる。
 
やがて舗装され、標識が立ち、
気づけば
「逃げ方面はこちら」
となっていってしまうのは、避けた方がいいかもしれない。
 
 
逃げてもいい。
怖いものは怖い。
できないことは、できない。
今の自分には無理なことだってある。
 
その上で、
 
「今の自分はできない」
「いま私は逃げている」
 
と気づいた時から、
変化は始まるのだろう。
 
 
なので、
「セールスが苦手なタイプ」
という言葉で自分を固定するより、
 
「断られるのが怖いんだな」
「断るのが苦手なんだな」
「でも、それでも必要な人に選択肢を届けたいんだな」
 
と見た方が、
たぶん前に進みやすいんじゃないかな。
 
 
……なーんて偉そうに言うワタシも、
苦手なものは苦手で、
それを「タイプ」とか言っちゃうタイプですけどね。笑。
 
 
あ。
こういうことを書くと、
 
「どうしたんです?
 何かイラっとすることあったんですか?」
 
と心配してくださる方もいるのですが、
ワタシはいたって健やかです。
 
いぐぜろわんだーらんどで、
ぴぴぴぴぴ、ぴっぽぱっぴーです。
 
ではでは。
 

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