スポンサーリンク

人生の財務諸表。

前回「がんばらなくていいんだよ」系を
軽くディスったところ、思いのほか好評だったので、
今回はずっとモヤモヤっとしていたことを
書いてみたいと思う。
 
 
「がんばらなくていいんだよ」メッセージが好きな人は
そっと、この場を離れてください(笑)
 
 
 
 
さて。
 
 
まず大前提として、個人的には
 
「人はどんな風に生きてもいい」
 
と思っている。
 
 
 
がんばって生きようが、
がんばらないで生きようが、
それは本人が決めることだし、
 
 
この世から旅立つ時に
 
「よかったわ~」
 
と思えれば、どっちでもええんちゃうの?
と思っている。
 
 
(さらに言えば、この世から旅立つ時にどう思うかも、
 本人の自由、、、というか勝手だと思っている)
 
 
 
その上で、
 
 
「あなたは存在しているだけで価値がある」
 
「だから、がんばらなくていいんだよ」
 
 
みたいなメッセージは、少なくとも私個人の好みじゃない。
 
 
 
「存在しているだけでいい」
 
のなら、この世にはこれだけ不平等は発生しないはずだ。
 
 
 
「生きているだけで価値がある」
 
「がんばらなくていいんだよ」
 
 
というメッセージで気持ちよくなりつつ、
動植物を殺めて食べ、
 
「あー、幸せ」
 
と言って残飯を捨て、環境破壊を繰り返している。
 
 
その時点で矛盾があるように思ってしまうのは、私が
ひねくれているからなのだろうけれどね。
 
 
 
 
 
私も、魂には価値があると思う。
 
生命そのものを崇高なものだと思っている。
 
 
 
しかし、だからといって
 
 
「存在しているだけで、
 ギフトがもたらされるんだ」
 
 
って、ホンマでっか?
 
 
そこには、大きな疑問を感じざるを得ない。
 
 
 
 
 
財務諸表ってあるじゃない?
 
貸借対照表とか損益計算書で構成される、例のアレね。
 
 
 
人間(とか動物)を、財務諸表で表わすのならば、
魂は貸借対照表の「資本」に当たると思う。
 
 
 
もちろん、そこには、価値がある。
 
 
でも、貸借対照表は「資本」だけで構成されているのではない。
 
 
資産があり、負債がある。
 
 
そして、資産よりも負債が多ければ
債務超過になって、資本である魂の価値を帳消しにする。
 
 
また、損益計算書では、
人生の上で受け取れるギフトは、売上げなどに代表される
「収益」と言っていいだろうし、
 
それにかかるコストは「費用」であるともいえるだろう。
 
 
そして、収益よりも費用が多ければ
「黒字人生」だろうし、逆ならば「赤字人生」だ。
 
 
もちろん、人生の場合は、
何をもって「収益」とし、何を持って「費用」とするかは
人の価値観によって全然変わってくるだろうけれどね。
 
 
 
 
で、
 
 
収益がもたらされるためには、
その人が持っている「資産」から何かを生み出すことが
求められる。
 
 
赤ちゃんや子供のころは
 
「かわいい」
 
という資産で、周りの人がたくさんギフトを提供してくれるだろう。
 
親という資産もあるしね。
 
 
 
でも、あなたが持っている資産でなにも生み出していなければ
あなたが得られる収益は減ってゆくだろうし、
コストが多ければ収益は食われてゆく。
 
 
最終的には、人生の経常利益や営業利益は赤字になるわけだ。
 
 
 
 
そんなわけだから。
 
 
もともとの魂という「資本」に価値があることは分かるけれど、
その人の「存在の財務諸表」が
今現在、どのようになっているのかは、その人次第だ。
 
 
 
それを、
 
債務超過に陥っていいるにもかかわらず
負債を説明しないで
 
 
「ほら、あなたという存在は、
 こんな資本がありますよ
 
「こんな資産に満ち溢れてますよ」
 
 
と吹聴したり、
 
人生におけるコスト、費用をまったく考慮せずに
 
 
「ほら、あなたの存在は、
 こんなに売上げがあるのですよ」
 
 
なんていうのは、ちょっと問題があると思う。
 
 
 
オブラートに包んだ表現をするならば、
スーパーブラック詐欺だと思う(笑)
 
 
 
 
 
人の幸せや人生は、数字では計り知れない。
 
ある時まで「負債」や「費用」だったものが、
ある日突然「資本」や「収益」に解釈が変わることもあるだろう。
 
 
でも、それは本人が
 
「自分の人生の財務諸表」
 
に手を加えたからであって、
手を加えるためには、全体を把握した方が良いように思う。
 
 
少なくとも、誰かの人生に影響を及ぼすような
 
「人生のコンサルタント」
 
「ライフプランナー」
 
であるならば、
 
 
 
「がんばらないでいいんだよ」
 
「存在に価値があるんだよ」
 
 
とだけ言うのは、
債務超過に陥っている企業をコンサルしているのに
 
 
「ほら、資本があります」
 
 
といっているくらい、無責任ちゃうの?
 
なんて思っている次第。
 
 
 
 
まぁ、
 
 
「がんばらないでいいんだよ」
 
 
というメッセージで救われる人もいるのだから、
そういう存在も必要なんだろう。
 
 
「がんばらないでいい」
 
と言われたことで、全体に目を向けられるような
余裕を持つ人もいるだろうしね。
 
 
 
だから、私ができないことをやってくれて
ありがとう、そんな野郎ども、とも思う(笑)
 
 
 
ただ、個人の感想としては
 
 
「全体を見た方が、いいよね」
 
 
「全体を見たうえで、
 がんばるところはがんばらないと、
 騙されたままだよね」
 
 
と思います。
 
 
 
ってなわけで、ここまで毒を吐いてきましたが、
 
 
がんばりたくない人は、
がんばらないで、いいんだよ(笑)
 
 
 
ではでは。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク