おかげさまで、今まで様々な方々と出会い、
商品やサービスを売ってきた。
相談に乗って来たレベルなら
たぶん1,000種類は販売に関わったし、
実際に売ってきたものもたくさんある。
その中で、
「これは、非常に難しい」
という場合がある。
それは、いわゆる商品やサービスを
作っている「コンテンツメーカー」と、
私のように売る側である「マーケター」の
考え方の違いによるものだ。
誤解のないように言っておくが、
コンテンツメーカーさんは
こだわりを持っていた方がいい。
そして、自分が幸せなのであれば
あなたのコンテンツを大きく拡販しなくてもいい。
自分の納得のいく形で、
自分が提供したいものを提供する。
それで全く問題ない。
その上で。
「もっと売れるようになりたい」
「より多くのお客様に、自分の商品を手に取ってほしい」
という望みがあるのであれば、
ちょっと別の見方もあるよ、という提案をしたい。
個人レベルでやっているコンテンツメーカーさんは
だいたい、今から言う「ここ」で立ち往生している。
まるでギターのFコードを押さえられないワタシのように
頓挫をしてしまうのである。笑。
「私は、私のやり方でいいんです」
というのは、本当、まったくその通り。
なので、それを変えろなんて言うつもりもないので
そこんところヨロシク!
さて。
基本的に「商品が売れる」ための要素は
3つしかない。
それはメニュー、ターゲット、コンセプトだ。
寸分たがわず同じ商品であっても、
この3つが違えば、飛ぶように売れたり
まったく見向きもされなかったりする。
今回は詳細は割愛するが、
簡単には説明しておこうか。
「メニュー」というのは、
商品そのもののクオリティに対する
お客様が支払うコストを明示したものだ。
コスト、というのはほとんどの場合は代金だが、
その他にも時間的コストやお客様の労力などもある。
「この商品は、コストに見合った品質なのか?」
というお客様の疑問にお答えしようとするのがメニュー。
「ターゲット」というのは、
訴求するお客様の層のこと。
誰の、どんな悩みを解決し、
誰に、どんな満足や幸せをもたらすのか?
そりゃあ、世界中の全員に訴求できれば
それに越したことはない。
が、それは世界中の異性全員に
ラブレターを送るようなものなので
ちょっとやめておいた方がいい。
「この商品は、私のために用意されているのか?」
というお客様の疑問にお答えしようとするのがターゲット。
「コンセプト」というのは、
提供できる商品やサービスの
どこにフォーカスを当ててもらうかの設計のこと。
たとえば、5連になっているハサミ、
という全く同じモノでも、
「海苔を細く切るハサミです」と説明するのと
「シュレッダーハサミです」と説明するのとでは
まったく売れ方が違う。
たくさんある魅力のうち、
どこにスポットライトを照らすのか?
上記のメニューやターゲットとの相互関係によって
どう設計するのかが問われる。
「この商品は、何ができて、他とどう違うの?」
というお客様の疑問にお答えしようとするのがコンセプトだ。
で。
この中で、コンテンツメーカーさんとマーケターが
衝突しがちなのは、圧倒的に「コンセプト」だ。
「価格帯やメニューを変えてみましょう!」というのも、
「ターゲットを変えましょう!」というのも、
コンテンツメーカーさん的には
「まぁ、やってみてもいいか」となりやすい。
しかし、
「このコンセプトで打ち出しましょう!」となると、
そこで拒絶反応を示す方々は、非常に多い。
だいたい、体感95%くらいは、
「それは、イヤです」と言う。
もしくは、はじめはOKしても、
初期段階のうまく行かない時期があると
「ほら!やっぱりダメじゃないですか!!」
と、メニューやターゲットよりも早く
光の速さでマーケターと衝突するため、
プロジェクトが崩壊する。
なので、ほとんどのコンテンツメーカーは
「自分でやった方がマシ」と、なりやすい。
もちろん、アホなマーケターや
お金のことしか考えていないマーケターは
腐るほどいる。
なので、すべてのマーケターの言うとおりにやれ!
なんてことは言わない。
ただ、誠実なマーケターや
実績のあるマーケターであっても、
この「コンセプトを理解してもらう」というのは
初期の一番頭を悩ませることだ。
ここからは、完全にマーケター目線で言ってしまうが。
お客様は、コンテンツメーカーさんが長年かけて辿りついた
「真髄」を欲しいとは思っていない。
いや、中には少数いるかもしれないが、
少なくとも最初期から「それ」を欲しがる人は稀だ。
なぜなら、「お客様」になる人は、
コンテンツメーカーさんよりも、そのコンテンツについての
理解も、興味も、かけている時間も少ない。
もし、同じくらいのエネルギーを注いでいるのであれば
それは「お客様」ではなく、仲間か商売のライバルだ。
なので、コンテンツメーカーさんが
「これはスゴい!」
「これこそが求めていたもの!」
というのを、心を込めて提供しようとしても、
お客様からは「は?」となりやすい。
「野菜炒めくらいは作ってみたいなー」
というお客様に、
いきなり包丁の砥石の番号による違いを説明しても、
見向きもされないのだ。
なので、コンテンツメーカーさんからすれば、
「は?そんなレベルの低いものを提供したくない!」
「そんなのを提供したら、お客様を裏切ることになる」
「それは、私のコンテンツの本筋じゃない」
といったものこそが、お客様が求めているものになりやすい。
それをマーケターは見極めるのだが、
それが合っていればいるほど、
だいたいはコンテンツメーカーさんの拒絶反応は高い。
そんな傾向がある。
また、意識している人と、無意識な人とがいるが、
コンテンツメーカーさんは、
「同業者や友達に見られた時に、
レベルの高いものを提供していると思われていたい」
という気持ちもある。
それがエゴであれ、誠意であれ、
まったくない、という人を見たことがない。
お客様はゴールデンボンバーさんを見たいのに、
全員が米津玄師さんを目指している、みたいな感じだ。
ちなみに私はゴールデンボンバーさんも
米津玄師さんも大好きだ。
鬼龍院サマの『好きすぎて、滅!』は必見だ。
タミヤ模型のTシャツを律儀に着用されて熱唱している。
脱線した。
…えーっと。なので、コンテンツメーカーさんが
「自分が真髄だ、と思えるものを提供したい」
「同業者や友達に、
キレイでレベルの高いものを提供していると
思われていたい」
という気持ちの含有率が高いと、結果として
お客様が必要としているコンセプトから離れてゆく、
というスパイラルに陥る。
その結果、
素晴らしいクオリティの商品やサービスであっても、
「内輪」で回ることで完結するものになる。
さてさて。
繰り返すが、コンテンツを提供しているのだったら
こだわりは必要だろうし、
自分じゃない人間になってまで売らなくていい。
その上で、
「まず食べてもらわないと、味は誰にも伝わらない」
ということも、心のどこかには置いてもいいかもしれない。
それは無料体験版があるからいいとか、そういう話ではなく。
あなたの商品やサービスを本当に必要としている人がいる。
ただし、残念ながら、その人はあなたがたどりついた真髄の
全然浅いところにいる。
それは、もはやあなたが想像もできないほど
パチャパチャした浅瀬だ。
でも、その浅瀬まであなたが浮き上がって来なければ。
あなたからは子どもに見えてしまうようなレベルに
あなたが目線を下げて向き合わなければ。
その価値を見つけられない人もいる。
これは、お客様を低く見ている話ではない。
お客様は、忙しい。
自分が本当に何が欲しいのか?を
あなたの商品を通して考える暇はない。
少なくとも、あなたの商品を手に取るまでは。
なので、すでにお客様が「これなら欲しい」と
何も考えなくてもピンとくる形で、
お客様の目の前に差し出す必要がある。
それがコンセプトなのだと、個人的には思う。
こだわりは持つ。
ただし、そのこだわりは、お客様のためにも磨く。
そんなスタンスだといいかもしれない。
そしてもちろんマーケター側は
コンテンツメーカーさんの意向も充分汲んだ上で
お客様にヒットするコンセプトをひねり出す。
そんな姿勢を持っているマーケターに出会えると
とっても素敵な関係が生まれるよね。
ではでは。
