ちょっと前に友人と飲んでいる時に
「世界観のテンプレート」という話を聞いた。
どんな話かというと、
ものすごく要約して話すと、
幼少期に自分が生まれ育った環境や、
親や家族が自分に対する反応を受けて、
「ああ、社会は、こんなものなんだ」
「世界は、こんな風にできているんだ」
と学習をしてしまうこと、ということらしい。
この「世界観のテンプレート」の恐ろしいところは、
完全にニュートラルな状態の幼少期に
インストールされるもの、ということ。
なので、
どんなポジティブな世界観であろうと
ネガティブな世界観であろうと、
私たちは疑うことなく受け入れてしまっている。
「世界は、愛に包まれている。
私がした親切は、めぐりめぐって自分にも返ってくる」
という“世界観のテンプレート”を手に入れた子供は、
大人になっても、そのテンプレートに従って生活をする。
逆に、
「世界は、争いに包まれている。
ねたみや憎しみが、まわりに渦巻いている」
という“世界観のテンプレート”を手に入れた子供は、
大人になっても、そのテンプレートに従って生活をする。
さらに。
ポジティブなテンプレートであっても、
ネガティブなテンプレートであっても、
おそろしい落とし穴がある。
当たり前の話なんだけれど、
一人の人が生きている過程では、
世界は愛に包まれていると感じられる時もあれば、
争いに包まれていると感じられることもある。
それが、世界の平常運転だからね。
ただ、
自分が持っている「世界観のテンプレート」と
現実世界で起こっていることが異なっていると、
人間は、激しい拒絶/防御反応を感じることになる。
「世界は“こう”でなければいけないのに、
現実の方が間違っている」
という風に思うようになる。
「○○でなければいけない」
というようになると、世界観がポジティブであっても
プラス面ばかりではなくなる。
「世界は愛で満ちているはずなのに、
ケンカしているのはおかしい。
ケンカをしている人には“正しい”世界を教えなければ。
たとえ、暴力をふるってでも。
この暴力は、いわば“愛”だ」
「私の考えている世界は、
みんなポジティブでなければいけない。
どんなに辛いことがあっても、私は笑っていよう。
その笑顔が、ひきつっていたとしても」
みたいになっちゃうわけだ。
まぁ、普通の人はその中でバランスを見つけて
なんとかやっていくんだけれど、
それでも、自分の「世界観のテンプレート」は、
多大な影響を与える。
自分の「世界観のテンプレート」と違う人とは
「気が合わない」
「あの人、信じられない」
と感じやすいし、
自分の「世界観のテンプレート」と違う言動や事実は
そのままストレスの原因となる。
心の奥底、潜在意識レベルでは分からないけれど、
「世界は暴力」というテンプレートをもっている人には、
暴力を振るわれていたほうがストレスが少なく
落ち着いていられる、ということもあるわけだ。
幼少期にインストールされた
「世界観のテンプレート」は、
完全に払拭することは、まず不可能だ。
不可能だし、また、
完全に取り去る必要なんてない。
たとえそれが、どうしようもなくネガティブな
世界観だったとしても。
なぜなら、現実世界には、
どうしようもなくネガティブな側面だってある。
そんな現実に直面した時には、
その世界観は、あなたをストレスから
守ってくれるわけだからね。
なので。
幼少期にインストールしてしまった世界観は
どんなものであれ、そのまま大切にすればいいだろう。
その世界観は、あなたのストレスのもとにもなる代わりに
ストレスから身を守る盾にもなってくれる。
そして、
できることならば、大人になってからは
世界観のテンプレートを増やしていけばいいんじゃないかな？
なんて思う。
この世界は、広い。
まだ会ったこともないような考え方をする人もいるし、
その人も、その考え方、世界観をテンプレートにして
今の今まで生きてこられているわけだ。
あなたが「あんな人、なんで存在しているの？」
なんて思う人も、誰かはその人を必要としているわけだし、
その生き方で、年齢を重ねてきている。
世の中は、愛で包まれている。
世の中は、憎悪に包まれている。
世の中は、金がすべてだ。
世の中は、変態ばかりだ。
世の中は、助け合いでできている。
世の中は、だまし合いで構成されている。
世の中は、感謝だ。
世の中は、エロだ。
すべての世界観が正しく、そしてそれだけではない。
自分がストレスを感じるところには、
あなた自身の「世界観のテンプレート」が
関わっていることが多い。
ストレスなく生きていくためにも、
よりたくさんの「世界観のテンプレート」を
手に入れておくと、いいのかもしれないね。
とか言いつつ、
最近、私とは違う世界観を持っている人との
やり取りが多くて
「俺って、コミュニケーション下手だなぁ」
と、がっくりとしていることも多いんだけれどね。
お互い、がんばりましょう（笑）
ではでは。