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科学的には証明できない事を証明する。

昨日、突然
とある友人からメッセージが送られてきた。
 
 
 
内容は、たまーに誰かに依頼される
 
 
「このお題を、イグさんテイストで書いてみて!」
 
 
というもの。
 
 
 
今回メッセージを送ってくれた友人は、
私の知っているたくさんの人たちの中でも
ひときわ頭の回転が速く、
しかも心理学などにも長けているので
 
 
「おお!彼がどんなお題をくれるんだろう?」
 
 
と、ワクワクして見てみたんだよね。
 
 
 
すると、メッセージには
 
 
「イグさん、
 “ 科学的に証明されてるから(ドヤァ ”
 を、なんとかしてほしいんだよー」
 
 
と書かれていた。
 
 
 
 
つまり、
 
「科学」という金看板を使って、
議論そのものを封じ込めてしまったり、
 
ほかの可能性を追求することを怠ってしまうことに
憤りを感じているので、なんとかして!
ということらしい。
 
 
 
 
たしかに、
 
 
「これは、科学的に証明されています」
 
 
と言われると、なんとなく
 
 
「あ、そうなのかぁ」
 
 
と、そこから先の思考を停止させるような
響きがあるものね。
 
 
 
でも、実際にはそんな証明は
役に立つことの方が少ない。
 
 
その辺を、証明してみてくれや!
と、丸投げをされたってワケ(笑)
 
 
「丸投げかーい!?」
 
 
とも思ったんだけれど、面白そうなので、
彼のお題に乗ってみようと思う。
 
 
 
 
 
さてさて。
 
 
 
実は、考えてみると、
 
 
「科学的に証明されている」
 
 
というものほど、うさんくさいものはないな、
と、彼からの質問で、あらためて思うことができた。
 
 
 
うさんくさいことは、山ほどあるんだけれど、
まず簡単なところでは
 
 
「で、そのソースは信用おけるものなの?」
 
 
という点。
 
 
 
 
「〇〇という食べ物は、健康に良い」
 
 
「この運動は、長生きに効果的!」
 
 
みたいなものがあり、そこにはよく
 
 
「効果は、科学的に証明されています!」
 
 
なんてフレーズが続いたりするけれど、
その根拠の出所は、実はけっこう底の浅いものだったり
することも多い。
 
 
科学的な研究も大してしていない状況で、
何回か再現されたものを、100%のように謳うものも
けっこうあるしね。
 
 
 
そもそも、
 
 
「〇〇という食べ物は、健康に良い」
 
 
と、数々の健康アイテムを紹介していた
みのも〇たさんは、どうして
大して健康そうに見えないの?
 
 
 
それに、
 
 
「この運動は、長生きに効果的!」
 
 
と謳いながら、
 
 
「まったく新しい運動法!」
 
 
って言うのって、その時点で矛盾を抱えているよね?
 
 
その運動をやり続けて、
すでに90歳とかになっている人がいるならまだしも、
 
 
「最近できたやり方で、
 長くやっている人でも2年くらいだけれど
 長生きにとっても効果的!(ドヤァ 」
 
 
って、おかしいだろ、おい!!
 
 
 
 
と、ここまで読むと、
 
 
「いやいや、たしかにそんな例もありますけれど、
 もっと、ソースがしっかりしているものもありますよ」
  
 
と、思うかもしれない。
 
 
 
でも、それ以外でも、ちまたにあふれている
 
「科学的に証明されています」
 
は、あまり機能しない事の方が多い。
 
 
 
なぜならば、科学的に証明された環境と、
実際に暮らしている日常とでは、
「条件」がまるで違うからだ。
 
 
 
通常、何かしらを科学的に証明する際には、
その効果を明らかにするために、
他に影響を及ぼすような要素を出来る限り除外する。
 
 
何かの食べ物をマウスに与え続けて、
その好影響や悪影響を観察したり、
 
完全に滅菌された空間で、
特定の条件だけ与えてみたりする。
 
 
 
でも、
 
 
実際に私たちが活動しているのは
特定の食べ物だけを食べる環境じゃないし、
滅菌された空間で生きているわけじゃない。
 
 
たくさんのものを食べているし、
 
心身にさまざまな影響を及ぼす刺激に触れているし、
 
外部環境も、刻々と変化する。
 
 
 
もちろん、特定のウイルスに対抗するために
ある薬品を投与する、なんていうのは
 
「限られた場面での効果」
 
なので、意味も意義もあるだろう。
 
 
 
しかし、
 
 
民間療法的な
 
「〇〇は健康にいい、悪い」
 
とか、
 
「コレコレは、こんな効果をもっている」
 
なんていうのは、条件が複雑すぎるので
ほとんど言い切ることはできない、というのが
現実なんじゃないかな?
 
 
 
たとえば、
 
 
「赤ワインは、健康に良い」
 
「赤ワインに含まれるポリフェノールなんちゃらがー、
 科学的に証明されていてー」
 
「赤ワインを普段から飲んでいる人は
 統計上、長生きですわー」
 
 
なんていうのも、けっこうアヤシイ。
 
 
 
そもそも、赤ワインに含まれる
「ポリフェノール」という成分を、
世の中に広めたのは、ワイン業者である。
 
 
その辺からもう、ちょっとうさんくささの臭いがする。
 
 
赤ワインにはポリフェノールが含まれているし、
それは、ある特定の条件では、体にプラスに機能するのかもしれない。
 
 
でも、赤ワインは別に
 
「ポリフェノール100%」
 
で出来ているわけじゃない。他にも様々な成分がある。
 
 
赤ワインを飲んでいる人全員が長生きしているのならば
効果は本当なのかもしれないけれど、
そうでないかぎり、効果は限定的だろう。
 
 
 
さらに、
 
「統計上、うんたらでー」
 
というのも、かなり眉唾ものだ。
 
 
というのも、いい赤ワインを日頃から
常飲できるような人は、経済的にも
ある程度、余裕のある人だ。
 
 
当然、自分の健康に関しても
お金をかけることができるわけだから、
そりゃ、長生きにもなる。
 
 
 
と、こんな風に、様々な条件が折り重なる実生活では、
 
 
「コレコレは科学的に証明されているから、
 こうするのが、絶対いい!」
 
 
なんていうことは、まずありえない。
 
 
 
年齢、男女差、職業、現在の健康状態、
ストレス、ストレス耐性、生活習慣、遺伝子、、、
 
 
その他さまざまなものが総合的にからみ合うから、
 
 
「これだけやっておけばオッケー!ヒャッハー!!」
 
 
なんてことは、非常に難しいわけだ。
 
 
 
 
 
あと、
 
 
そもそも、科学的証明や統計は、
とる時に前提がある。
 
 
 
よほど大がかりなものでないかぎり、
 
 
「Aには、Bという効果があるかを証明せよ」
 
 
という前提がある。
 
 
だから、「B」という方向性のもとに
どんどん研究や証明をしてしまう場合も多い。
 
 
統計なんかは、もっとあいまいで、
 
生の統計データをどのように切りとるかで
見え方は全然変わってくる。
 
 
 
さっきの赤ワインだって、
 
「飲んでいる人といない人の平均寿命」
 
というとり方も出来るだろうし、
 
 
「飲んでいる人といない人の収入」
 
「飲んでいる人といない人の喫煙率」
 
「飲んでいる人といない人のアルコール依存度」
 
「飲んでいる人といない人の犯罪率」
 
 
など、どんな切りとり方も、可能性としてはアリ!
なわけだ。
 
 
なので、あまり
 
 
「ドヤァッ!!!」
 
 
と、決めつけない方が良いと思うんだよね。
 
 
 
 
 
 
さてさて。
 
 
今回は、
 
「科学的に証明する!ドヤァッ!」
 
に反論するために書いたけれど、
別に科学を否定しているわけではない。
 
 
科学が人を幸せにしていることもたくさんあるし、
科学がなければ、今の生活は1日たりとも送れないだろう。
 
科学的アプローチをされている方々にも
心から感謝と敬意を持っている。
 
 
 
でも、
 
 
「コレコレって、科学的に証明されているって
 教えられたから」
 
 
と、そこで思考停止になるのは、非常に危険だし、
もったいないと思う。
 
 
「科学的に証明されている」
 
 
というのは、あくまで
 
 
「限られた環境の中で、特殊な条件のもと
 現時点では、こうなっている」
 
 
というだけに過ぎない。
 
 
病気の治療法ですら、
昔と今で真逆のことをやっているなんてことは
ざらにある。
 
 
だから、私たちは
 
 
「思考すること」。
 
「可能性を柔軟に受け入れること」。
 
 
を大事にした方がいいんだろうな、と思う。
 
 
 
 
科学は、人間の歴史の中では、さほど長い歴史はない。
 
 
昔は、言い方は違っただろうけれど
 
 
「これは、宗教的に証明されている!(ドヤァ 」
 
 
とか、
 
 
「これは、呪術的に証明されている!(ドヤァ 」
 
 
といった方が、信頼性の高い時代もあったし、
その方が歴史としては長い。
 
 
宗教や呪術を出されたら、
もう思考停止にしなければならなかった時代だって
あったわけだ。
 
 
 
だから、
 
 
 
いつか、科学も
 
 
「へ?科学なんて、そんなものを判断の基準にしているの?」
 
「もっと、コッチに基づいて言ってもらわないと!」
 
 
と、そっぽを向かれる可能性がゼロとは限らない。
 
 
 
疑うことばかりでは疲れてしまうけれど、
思考停止には陥らない方がいいだろうね。
 
 
 
。。。と、
 
 
今回のお題の一番の収穫は、私が
お酒やラーメンを食べ過ぎる時の言い訳を手に入れたことだ。
 
 
 
今回お題をくれた彼には、お礼を述べたいと思います(笑)
 
ありがとう。
 
 
 
ではでは。

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