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「安心領域を飛び出す」なんて、そうそう続かない

先日、友達を色々話をしている中で
「安心領域」がテーマになった。
 
まぁ、この時点で、ものすごく変わり者だ(笑)。
 
 
 
安心領域、ってのは、ご存知の人もいると思うけれど
読んで字のごとく
 
「自分が安心していられる場所・環境」
 
っていうような意味で、
 
たとえば普段生活をしているような環境だったり、
「ここなら大丈夫」「ここまでは、やれる自信がある」
と思えるような状況。
 
 
親しい人。
 
何回も来たことのある場所。
 
なじみのある行動。
 
 
そんな風に、脅威を感じることのない状況が
「安心領域」と言われている。
 
 
 
で。
 
自己啓発の本とかセミナーとかを読むと、
 
「自分の安心領域から出ないと成長しない!」
 
とか、
 
「安心領域を手放した時に、
 次のステージに行く事が出来る!」
 
みたいに、あおられることがある。
 
 
たしかに、言っている事は間違っちゃーいないし、
勇気を振り絞った行動は、賞賛に値する。
 
 
 
友達とも話をしていたんだけれど、
 
安心領域ってのは、いわばロジック・確率・延長の世界だ。
 
 
というのは、
 
 
「今のままでいれば、とりあえず安心」
 
というのもそうだし、
 
「とりあえずコレをやれば、
 だいたいこんな成果を手に入れることが出来るだろう」
 
 
といった、自分が理解できる現状や成果を得る時には
そんな冒険をしなくても大丈夫な世界。
 
 
 
しかし、
 
 
「アレって、どうやって手に入れていいのか
 まるで見当がつかない」
 
「どうやったら、あんな風になれるんだろう???」
 
 
といった、自分の中の「ロジック・確率・延長」が
まったく通用しなくなった時には、
今までの自分では届くことは極めて困難になるわけだ。
 
 
そこでは、もはや「クレイジー」になるしかない。
 
(まぁ、すでに成果を出している人から見れば
 その行動はクレイジーでもなんでもなく、
 安心領域を守っている方がクレイジーなんだけどね)
 
 
 
そこで、自己啓発の扇動者たちは言うわけだ。
 
 
「だから、自分の安心領域から出ろ!」
 
「今と違う自分になりたいのなら、
 安心領域を飛び出すんだ!」
 
 
ってね。
 
 
 
その発言は正しい。
否定はしない。
 
私自身、その言葉に触発されて
以前とは違う自分になれた部分もきっとあるから
感謝こそすれ「間違っている」なんて言わない。
 
 
 
ただね。
 
 
その上で、あえて実体験を考えてみると、
 
 
「いやぁ、分かりますよ。分かりますとも。
 延長で手に入らないのなら、飛び出すしかない。
 もう、言い返す言葉もないですわ。
 
 ・・・でも、コワイですやん?」
 
 
と思ってしまう、情けない自分がいるのも事実。
 
 
おっしゃる通りの事ができれば、
今ごろ、自己啓発本とか読んだり、
セミナー出てないわー。
 
なさけないわー、自分。
 
今の自分がかわいくて、しかたないわー。
 
 
なんて思っちゃったりもするんだよね。
 
 
 
もちろん、
 
「エイヤっ!」と瞬間最大風速的に
思いきった行動をすることは、できるかもしれない。
 
それは、気分が高揚していたりして出来ること。
 
 
セミナーとかだったら、
参加者全員がやっている状況で
なんで、お前だけやらないの?みたいな目で見られると、
 
「むしろ、ここでやらない方が
 余計、勇気が必要ですやん?」
 
みたいな集団心理に溺れて
普段とは違う行動が取れちゃったりすることもあるだろう。
 
 
 
ただ、「エイヤっ!」が終わった後は
また平凡な日常が待っているわけで。
 
 
「エイヤっ!」を繰り返すうちに
だんだん「安心領域を出る免疫」みたいのがついて来て
変わった行動をとることに抵抗が少なくなることはあるだろう。
 
でも、いわゆる「成功」とか「成果」って、
地味~~~な、コツコツ作業なくしては
なかなか手に入らないというのも、半面として事実だ。
 
エイヤっ!だけでは、地盤のある成果には、
なかなか届きにくい。
 
 
 
そこで友達に、
 
 
「これって、どないしたらええんやろか?」
 
 
と聞いたところ(実際は大阪弁で質問したわけじゃないが)、
 
 
 
「そうですね。
 僕の場合は、安心領域を飛び出すっていうか、
 安心領域を“あふれさせる”ことで対処してますかね?」
 
 
という言葉をもらった。
 
 
 
 
「安心領域を、あふれさせる」。
 
 
 
つまり。
 
 
自分が普段やっていることをやるんだけれど、
そのボリュームを尋常じゃないレベルにする。
 
 
たとえば、人に会うのも
通常の3倍、アポイントを入れちゃうとか、
 
請け負う仕事を、猛烈に増やしてみるとか。
 
 
ひとつひとつの行動自体は、
さほど自分の安心領域の脅威にならない行動なんだけれど、
それがびっちり埋まっている状況を作る。
 
 
ある意味、安心領域を飛び出してはいるんだけれど、
心理的な負担感は、未知のことをやるよりは楽なんだそうだ。
 
 
 
イメージ的には、
 
「エイヤっ!」と安心領域を飛び出した後、
 
「やっぱり怖いわ」と戻ろうとしたら、
安心領域がギューギューづめで、戻れなくなっちゃっている、
みたいな感覚だろうか?
 
 
そうなると、
 
「あらー、戻る場所ないわー、
 やらんと、あかんわー」
 
みたいになって、
 
「コツコツ型の安心領域脱出」
 
が可能になる、というわけ。
 
 
考えてみると、私自身も友達と同じようなアプローチを通して
いろいろやってきているかもしれないな、と
それに気づかせてくれた友達に、とても感謝したんだよね。
 
 
 
 
さてさて。
 
 
無理に
 
「安心領域を飛び出さなくっちゃ!!」
 
と、変わった行動を日夜探していたとしても、
それはスパイスになるだけで、
本質的変化のメインディッシュには、ならない事が多い。
 
 
 
それだったら、
 
「安心領域を飛び出す」
 
じゃなくて、普段やっていることでいいので、
 
「安心領域をあふれさせる」
 
方が、もしかしたら良いのかもしれないね。
 
 
もちろん、様々なアプローチがあるだろうし、
どちらも大事だと思うけれど、
 
「エイヤっ!」と「コツコツ」を
バランス良く料理して、
 
「幸せな日々」というごちそうを食べたいものですわ。
 
 
ではでは。
 

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