おかげさまで、新刊
『チャンネル・ゼロ』の売れ行きと評判が
共に上々です。
特におさめられているショートストーリーのうち、
ラスト3編
『スマート・アイ』
『黄昏』
『エンドロール』
は「泣ける!」「良い話だ!」と
ご好評いただけていますm(__)m
個人的にも、
『黄昏』
は大好きで、自分で書いたのに自分で泣いちゃう、
という感じなので、とってもうれしい(笑)
で、
好評いただいている、この『黄昏』なんだけれど、
実はこのストーリーが生まれるまでには、
ある裏話がある。
その裏話には、
「何かをやりたいのに、なかなか出来ない」
とか、
「無理難題ばかり言われて、イヤになっちゃう」
という方のヒントが詰まっているので、
今回はそれをシェアしたいと思いまするm(__)m
さて。
実は、
今回の本におさめられているショートストーリー
32編は、今までに私が書いた80編以上のストーリーの中からの
「よりぬき」。
なので、今回の本におさめられていない、
ボツのストーリーもたくさんある。
それはページ数が限られているし、もちろん全部掲載が
できないのは
「そりゃ、そうだよなー」
と思っていたのでいいんだけれど。
が!
がが!!!
今回の本に「どの作品を入れるのか?」と、
編集の方と話し合っている時に
「この『スマート・アイ』ですけど
今回はボツにしましょう」
と言われたのね。
個人的には、
「はぁっ!?この作品を入れないとは、何事??」
と思うくらい『スマート・アイ』には思い入れがあったので
なんとかしてボツを思いとどまってもらおうと
色々と交渉をしたわけ。
編集の方にボツの理由を聞いたところ、
「このスマート・アイ。いい話ですけれど、
他の話の中に入れていたら、浮いちゃいませんかね?」
「今回は、感動路線じゃない方向にしては?」
ということだった。
えええ?
いやぁ、、、でも、そこをなんとか。。。。
とお話をしている中で、
「じゃあ、バランスをとるために
もう1~2編、心が動かされる話を
書いてみてくれたら、この作品も入れましょう」
という案を出してもらったわけ。
お、りょうかいりょうかい。
そんな事なら、おやすいご用。。。。
。。。。な、わけ、ないだろーーーっ!!!
簡単に心が動くような作品が
ちょいちょい書けるかー!!!
無理難題だわーーー!!!
と、世界の中心で叫びたい気持ちにもなったのだが、
そこには
「どーーーしても、『スマート・アイ』を
本に載せたい」
という気持ちがあった。
ので、毎日毎日ウンウンうなって、
夢でもうなされるように頭をしぼって
「ひぃぃーーー!!」
となりながら、やっと書けたのが、実は
『黄昏』
という作品なのね。
今では、自分の書いた作品の中で
一番のお気に入りのひとつなんだけれど、
『黄昏』は、あの時編集の方が
「スマート・アイは、ボツ」
と言ってくれなかったら、生まれなかったんだよね。
その時は
「なんで?なんでーーーーっ!!!??」
と編集の方をなじりたくなったけれど、
そんな無理難題を提示してくれたからこその『黄昏』なので
本当に感謝ですわ。
さてさて。
面白いもので、素晴らしいものを生み出すためには、
2つの「圧力」が必要みたいだ。
ひとつは、
「やりたい!」「実現したい!」
という、上昇のエネルギー。
でも、そのエネルギーを本気で発火させるためには、
「否定」「無理難題」という圧力があった方がいい。
「やりたい!」という上昇エネルギーだけだと
「いつか、やりたい!」
「こうなったら、いいな!」
で終わることも多いし、自分が思い描いたもの
以上のものにはならない。
でもそこに
「そんなんじゃダメ」
「無理」
「じゃあ、これができたらね」
「〇日までにね」
というストレスがかかると、その「やりたい!」に
爆発的な圧力がかかる。
もちろん、
「否定」「無理難題」の圧力が強すぎると
そこでヘタリこんでしまうこともあるだろう。
でも、適度な(?)無理難題は、
最高のエネルギー爆発のきっかけになる。
今回の本に載せる話もそうだし、他でもそう。
仕事で無理難題を言われるから、知恵をひねる。
スケジュールが厳しいから、限られた時間の中で
最高のものができあがる。
株やFXでも、市場から「否定」されて損をするから
技術が洗練されてゆく。
自分の「やりたい!」に火をつけてくれるのは、
実は「否定」なのかもしれないよね。
。。。ってなことで。
今回、そんな想いがたくさんつまった本。
ぜひ手に取って読んでみてくださいm(__)m
ではでは。