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超一流のスタートライン

前回に引き続き、天ぷら屋のご主人の話。
 
 
天ぷらを揚げ続けて51年。
 
国内、海外問わず圧倒的なファンを呼び寄せ続ける
天ぷら屋のご主人が、
 
「なぜ、ミシュラン・レストランガイドに
 掲載されているのを、断り続けているのか?」 
 
という理由を話してくれた。
 
 
 
 
理由は、とてもシンプルだった。
 
 
理由は、
 
「他の店の基準と、一緒にされるのがイヤだから」。
 
 
 
 
 
ご主人は、言う。
 
 
素材に最高のものを使う。
 
油に最高のものを使う。
 
器に最高のものを使う。
 
店内を最高の環境に整える。
 
 
そんなのは“やって当たり前”のことだ。
 
 
 
 
 
そんな、目で見たり、
話を聞いたりして分かるレベルなんて
最低ラインもいいところだ。
 
 
 
 
料理人の腕がいい。そんなの当たり前だ。
 
接客がいい。そんなのも当たり前だ。
 
 
そんな「判断できる」ものを用意するのなんて、
当たり前の話なんだ。
 
 
 
 
 
そうじゃない。
 
そうじゃなくて、
 
「判断できる」ようなものは全て揃えたうえで、
そこから始まるんだ。
 
 
全部そろえるのは、
ゴールじゃなくてスタート。 
 
 
 
「判断できる」ものなんて幼稚なレベルを超えた
「判断できない」ものを揃えるようになって、
始めて“文化”が薫ってくるんだ。
 
 
 
 
ミシュランなんて本は、
「判断できる」ものしか、書いてやしない。
 
 
そんな本に、俺がやってきている仕事を
どうのこうの言われたくない。
 
 
 
 
 
 
 
 
...ご主人が言ったことは、
ここに書いてあるままではないので、
若干(というか相当)私のフィルターが入っている。
 
 
でも、ニュアンス的には、今書いたようなことを
カラカラと笑いながら話してくれたんだよね。
 
 
 
 
素晴らしい商品。
 
素晴らしい顧客対応。
 
素晴らしい経営。
 
それを揃えて「ドヤ顔」しているのなんて、
まだまだレベルが低いんだなぁ、と
すごい恥ずかしくなったんだよね。
 
 
(というよりも、その「最低ライン」すら
 揃えられていない現状の私は
 いったいどうすればいいんだろう?)
 
 
 
 
目に見えないもの。
 
口では伝えられないもの。
 
どこをどうやって判断しているのかわからないもの。
 
 
そんなことに気を配るためには、
目で見えたり、口で伝えられたり、
簡単に判断できるものが揃っているのが最低条件。
 
 
そして、全部を揃えてから「超一流」という道は
第1歩を、やっと歩めるらしい。
 
 
 
 
 
まぁ、そんな話を
 
「お客さんは店内禁煙だけど、俺は吸うよ」
 
「ここしばらく、彼女はいないんだけどねー」
 
という話を交えながらするんだから、
説得力があるんだかないんだか分からないんだけれど(笑)
 
 
 
 
私は、「超一流」の道に「入門」するまで、
あとどれくらい「判断できるもの」を
揃えればいいんだろう?
 
 
そして、その道のスタートに立った時、
目の前に広がる景色は、
一体どんなものなんだろう?
 
 
 
そんなことを考えながら、
気持ちのいいほろ酔いをした夜でした。
 
 
ではでは。
 

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