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二人のお客さん

賃貸不動産の仲介をしている友人のお話。
 
 
ある時、一人の初老の男性が、部屋を探しにやってきた。
 
「家賃、3万5千円までで、
 できるだけいい部屋をみつけてください」
 
 
 
私の友人が働いているのは東京都内なので、
3万5千円という家賃では
なかなかいい物件はみつけにくい。
 
 
でも、出来る限りその男性のニーズを満たすために
頑張って部屋を紹介したそうだ。
 
 
 
しかし、実際に部屋を下見に行くと、
 
 
「うーん。
 悪くないですけれど、もしかしたら
 他にもいい部屋があるかもしれない」
 
「もう少し他の部屋も、見させてもらって
 いいですか?」
 
 
と、なかなか決められないそうなのだ。
 
 
 
中でも困ったのが、
家賃以外は特に希望というものはなく、
 
 
「とにかく、なんとなく、いい部屋」
 
 
という中で、いくつもの物件を紹介しなければ
ならなかったらしい。
 
 
 
 
 
でも、たくさんの物件を探してきても男性は 
 
 
「うーん」
 
「もっといい部屋があるかもしれないから」
 
 
と迷い続け、なかなか決断を下してはくれない。
 
 
 
そして、
 
 
もう3万5千円という家賃では、
紹介できるところがなくなってしまった!
 
となった後、結局、一番最初に見た部屋が一番よかった、
ということになった。
 
 
 
しかし、最初に見た部屋は、男性が迷っている間に、
他のお客さんが入居契約を済ませてしまい、
入ることが出来なくなってしまっていた。
 
 
 
そこで男性は、また
 
 
「うーん。うーん」
 
 
と、迷い続けてしまったそうだ。
 
 
 
  
 
 
 
 
 
その初老の男性の接客をしているのと同時期に、
また別のお客さんが来たそうだ。
 
 
 
そのお客さんは働き盛りの男性で、
 
 
「家賃40万円くらいの物件」
 
 
というのを探していたということ。
 
 
 
 
このお客さんは、家賃というハードルは
ほぼない状態だったので、
私の友人が「これがいいだろう」と思った物件を
最初に紹介した。
 
 
 
お客さんである男性と一緒に下見に行った時、
その男性は、トイレと台所だけをチェックして、
 
 
「よし。ここに決めます」
 
 
と即決したそうだ。
 
 
 
 
40万円という高い家賃を払うのに、
そんなに簡単に決めていいの?
 
と、私の友人の方が逆に驚いて聞くと、
男性は、こう言ったそうだ。
 
 
 
「この辺で家賃40万円というのは、
 だいたいこれくらいのグレードなんでしょ?」
 
「相場が決まっているんだろうから、
 細かいところまでは気にしないよ」
 
「私は、トイレについては○○、
 台所については○○という希望はあったけれど、
 その他は、そのうち慣れてしまうだろう」
 
「あれこれ探している時間ももったいないし、
 迷っている間に他の人に決められてしまうかもしれない。
 だから、ここでいいですよ」
 
 
 
 
男性は、契約を決めた後の雑談で
こうも言ったそうだ。
 
 
 
「自分がすーっと貧乏だったころも、
 “自分が大切にするもの”を決めて、
 あとの細かいところは気にせずに、スパッと決めてきた。
 それが良かったなぁ、と思うんですよね」
 
 
 
 
 
 
今回の話で、私は別に
3万5千円の部屋を見つけようとしていた男性を
悪く言うつもりはない。
 
 
 
ただ、日々の積み重ねの中で
 
 
「自分にとって大切なものを知っておく」
 
「他のことは、それほど気にすることなく決断する」
  
 
ということは、思った以上に大切なんだなぁ、
と感じたんだよね。
 
 
 
たぶんこれは、部屋を決めるということだけでもないだろう。
 
 
自分の仕事を決める時。
 
婚活をする時。
 
自分の時間を使う時。
 
 
様々なところで、大きく影響をするんじゃないかな?
なんて思うんだよね。
 
 
 
 
 
「自分の幸せは、こういう形だろう」
 
という“羅針盤”がハッキリすればするほど、
より幸せの充実感を味わうことに時間を使えるのかも
しれないよね。
 
 
 
とまぁ、友人の話を聞いている私自身
たくさんの人に目標設定のやり方を伝えているので
重要性には気がついている。
 
 
 
どこまで確実に実行に移せているのかは、
意見はさまざまだとは思うけれど(笑)
 
 
 
あなたにとって大切なものは、何ですか?
 
 
もっと明確にしたい方は、
ぜひ私のセミナーに!(笑)
  
 
ではでは。
 

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