「人類が万物の霊長であることを支えているのは?」
と問われたとしたら、私は間違いなく、
・物語
・テクノロジー
の二つを挙げる。
どちらも、とても広い意味で。
物語とは、
「実存していないことを共有する能力」で、
テクノロジーとは、
「人間の能力の外部化、超越化」すべてを指す。
たとえば、物語だったら、
宗教、国家や家族、貨幣価値、肩書などは
すべて「物語」だ。
未来にビジョンを描くことも物語だし、
過去の出来事をどう解釈するのかも物語だ。
「常識」と言われているすべても、物語。
極論をすれば、愛も悟りもすべて物語、という
広義な意味で、ここでは使っている。
そして、テクノロジーもすごい広い意味で、
たとえば火なんかも、活用することによって
消化時間の短縮にも使われたテクノロジーだ。
土器は保存と時間支配のテクノロジーで、
衣服は環境適応範囲を広げるテクノロジーだ。
もちろん、コンピュータやAIなども
思考と記憶の外部化と超越化を実現している。
そう。
この「物語」と「テクノロジー」が、かけ算で融合したからこそ
人類は地球を支配できている(ように見える)。
ネアンデルタール人は、我々ホモサピエンスよりも
筋肉も骨格も強く、寒冷地でも生きられ、
視覚なども優れているうえに、脳の容量も大きい。
少なくとも個体性能では
完全に、私たちより上位互換なのだ。
他にも、
デニソワ人、ホモ・フロレシエンシスなども
非常に優秀な種だったそうだ。
にもかかわらず、ホモサピエンスが生き残った。
それは、上記に挙げた種たちも
テクノロジーは持っていたが、
そのテクノロジーを大規模に共有・継承する
「物語」が弱かったから。
我々の先祖だけが、
見たことのない他者を信じ、
あったことのない未来を語り、
自分が死んだ後も続く計画を持った。
だから、今の私たちがある。
なので、少なくとも私は
人類を人類たらしめている最強能力は
「物語力」
であると信じている。
(この信仰すら物語なのだが)
物語を相手に語り、それを信じてもらえる。
これが人が手に入れた、
他の生物と一線を画すチカラだ。
ゆえに、その代償として、
「嘘」には寛容でなければならない
と、個人的には思う。
なぜならば、嘘というのは
「実存に至らなかった物語」と
定義することもできるからだ。
始めから悪意をもって嘘を吐くのは
もちろんよろしくないとは思う。
ただ、
「この世から、善悪問わず、すべての嘘がなくなりますように」
と願うのは、人類の消滅を願うのと
同義であると思えてしまうからだ。
と。
ここまでが前段で(長ぇよw)
じゃあ、本当のところ、
人類は「地球上の霊長」なのか?
という根底のテーマに移った時に、
この答えは、かなり疑問符がつくように思う。
人類以外の生物は、
環境に適応することで、「勝ち」をおさめている。
ただ、人類は、そのルールに沿って生きていない。
道具を使える。
物語を共有し大規模コミュニティを形成できる。
これは、「環境に沿っている」「環境に勝っている」のではなく、
「環境の定義を塗り替え」ているだけにすぎない。
寒いからといって、生き物として何かを変えるのではなく
服を着ている「だけ」。
暗い所で、夜目が効くわけでもなく、
明かりを灯している「だけ」。
これは強さというより、
「現実を受け入れない性質」に近い。
この「現実を受け入れない性質」が
物語の共有と、テクノロジーの継承を生んだ。
卵が先か鶏が先か、分からないけれど。
人類が生物界の頂点に立っているように見えるのは、
自分たちで試合のルールを作り、審判をやり、
表彰台に立っているのに近いとも言えるかもしれない。
どう考えても、生き物としての安定性という
本来の「勝ち」では、他の小さな生物の方が
はるかに上位であるのは間違いないからね。
さてさて。
「年末だから、ちょい抽象的な話を」
と思って書き進めていたら、
謎の方向に暴走した(笑)
まぁいい。
このまま暴走して突っ走るとして、
「物語とテクノロジーで
現実を受け入れない力」
は、人類の持っている
生き物としての本懐なのだとしたら。
これは、人類が脈々と継承してきた
生き残り戦略であり、
それはつまり、個人の戦略としても最強になり得る。
そうそう。
僕らが現状に不満を持っているのだとしたら、
それは、ホモサピエンス的に「正しい」。
そして、それを打破するために使うツールは、
「物語」と「テクノロジー」が用意されている。
成功、失敗。
それを決めるのも本人しだいだけれど、
もし、今と違う実存を欲するのだとしたら、
今とは違う物語を選び、
今とは違う組み合わせでテクノロジーを選ぶ。
コレしかないんやろうね。
それが「嘘」になろうとも、
欲しい未来の創り方は、
ここにすべておさめられているのだろうから。
あなたは、どんな2026年を
迎えたいですか?
ではでは。
