「信頼していた人が、
実は私の陰口を言っていたのが発覚して、、、」
という相談がやってきたので、それに対しての私の考えを。
まず第一に確認しなきゃいけないのが、
「その ”発覚” って、
本人に直接、問いただしたの？」
ということ。
もし第三者が
「あの人、あなたのこと
こんな風に言っていたよ」
というのを聞いただけであるのだったら、
それはスルーしていい。
なぜなら、
それは一次情報ではなく、
伝言ゲームのように伝わってきた二次情報だからだ。
悪口を言っていた（らしい）のがＡさんとして、
それをあなたに伝えてきたのがＢさんだとする。
ならば、まず考えるべきは、
「Ａさんが私のことを
そんな風に思っていたなんて。。。」
ということではなく、
「なぜＢさんが、それを私に伝えたのか？」
ということ。
基本、言わなくてもいいことを、
わざわざあなたに伝えているのだから、
それにはＢさんにとって理由があるのだ。
多くは、
・本当はＢさんがあなたに伝えたいことを
Ａさんの言葉を借りて伝えている。
これだとＢさんは自分が悪者にならないから。
・あなたとＡさんの関係性を変えたい。
良きにせよ、悪しきにせよ。
・Ｂさんが単にその場しか見ていないで
噂を言いたいだけのアホ。
思わせぶりなことを言って、自分の優越感を
満たしている。
のうちのどれかだろう。
悪口を言ったとされるＡさんは、
たしかにあなたの陰口を言ったかもしれない。
でもそれが、本当にＡさんの真の本音なのかは
分かりようがないのだ。
Ｂさんに促されるように、
ついポロッと言ったのかもしれないし、
その場にいた人間関係上、言ったのかもしれない。
少なくとも、普段から関わりがあるのだとしたら
Ａさんがあなたを
「そう見ている面もあるかもしれない」
程度のことで、全面的にあなたについて
悪印象を持っている可能性の方が低い。
誰だって、その場にいる人との関係性で
人の「どの側面」を言うのかは、
多少は表現を変えるだろう。
そんなことない？
そう。
人は多様性を持っている。
ある人にとっては素晴らしい人でも、
また別の人にとってはどうしようもない人にもなる。
一人の人間のすべてを知ることは不可能に近いけれど、
自分の見えている側面が、その人のすべてだと思い込むのは
愚の骨頂だと思う。
また、人には立ち位置がある。
人が人について語る時に、
その人との関係性を考慮せずには一言も発せない。
ある意味、１００％ポジショントークなのだ。
本人が意識しているか無意識なのかは別として、
人のすべての発信はポジショントークで、
その事実を抜きにして物事を判断しても見誤るだけだ。
今日見ている、すべての人の発信。
これまでに見てきたいろんな発信。
これから見るであろうたくさんある発信。
あの人の発信も、別のあの人の発信も、
本人が意識しているかどうかは別にして、
すべては１００％ポジショントークだ。
なので。
陰口を聞いた時は、
「どこからそれを知ったのか？」
「人づてだったら、それを教えてくれた人は
どんなポジションで話しているのか？」
「それを発覚というのか？」
を考えてみればいい。
直接本人に確認したのでない限りは
すべてはポジショントークなので、
「ふぅん」
でオッケーだ。
そして。
仮に直接、問いただして
「たしかに、そういう風に言った」
と当人が認めたからと言って、
それがすべてであるのかは、結局は分からない。
人には感情がある。
その場では、ついそう言ってしまった、
ということもあるだろう。
あなただって、誰かを思い出した時に
「キーッ！ ムカーッ！」
としている時もあれば、
「なんてステキな人なんだろう！」
と思っている時もあるかもしれない。
感情、多様性、関係性とポジション。
それは時を経たり、関わる人が増えたりすればするほど
虚実が、ないまぜになってゆくものだ。
だから、そこを考えても仕方ない。
戦国時代の計略じゃないんだから、
目の前の今の関係と、それまでの恩義をこそ大切に
人と付き合っていければいいんじゃないかな？と思うよ。
少なくともそうやって付き合っていければ、
本当に陰口を言っていたとしても
「あ、なんだ。
けっこういい人じゃないか」
と、相手も思い返すだろうから。
私も、できるかぎりがんばりたいと思います。
ではでは。