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心が動いたところを主役にすればいい。

今回も前回に続いて、プロカメラマンさんの話。
 
そのカメラマンさんが撮る写真は
どれも素晴らしいのだけれど、
さらに素晴らしいのが
 
「カメラマンさんからレクチャーを受けた
 受講者さんの写真も、とても素晴らしい」
 
ということ。
 
 
もちろん技術的には千差万別だし、
他のプロから見たら、まだまだなのかもしれない。
 
でも、
 
どの写真もイキイキしていて、
何かを語りかけてくるようなストーリーを感じる。
 
 
そして、どの写真もイキイキしているのには、
きちんと理由があった。
 
それは、レクチャーしてくれたカメラマンさんの哲学、
というか、教え方に秘密があったんだよね。
 
 
カメラマンさんは、先生として
いろいろと丁寧に教えてくれるんだけれど、
 
「どう撮ればいいんですか?」
 
という質問には答えてくれない。
 
もちろんそれは意地悪で教えてくれないのではなく、
あえてその質問への答えは用意しないのだ。
 
 
先生が言うところの「伝わる写真」とは、
 
「あなたの心が
 一番動いたところを主役にしてください。
 そうすれば、伝わる写真になります」
 
ということ。
 
 
 
たとえば野原一面に、
色とりどりのチューリップが
何百本も咲いている場所に行ったとしよう。
 
 
その時、あなたの心が
広大に広がるチューリップの野原一面に奪われたのなら、
野原全体に向かって、シャッターを切ればいい。
 
 
そうではなくて、
たくさんのチューリップの中のただ一輪。
 
ハチと寄り添うように、
でも凛と大地に根を張り咲いている一輪に
心が動いたのなら、それを撮ればいい。
 
 
他にも、大空とチューリップのコラボレーションを
おさめてもいいし、
 
野原で人々が楽しそうに語らっているひとときを
一枚の写真にしてもいい。
 
 
とにかく、写真を撮る本人が
 
「あっ!」
 
と心が動いたものを主役にする。
 
 
そうすれば、それが例え多少ピンボケであっても、
露出がイマイチだったとしても、
「いい写真」「伝わる写真」なんだよ、と教えてくれる。
 
 
いやぁ、いい先生だねぇ、ホント。
 
 
 
「この場面では、こう撮る」
 
「この構図が、ベストだ」
 
そんな風に教える方が、
教える側としては楽なのかもしれない。
 
 
でも、
そんな風に教えられてしまったら、教えられた方は
その後写真を撮るたびに
 
「これで合っているのか?」
 
「これがベストなのだろうか?」
 
と、「正解」を求めてしまうだろうし、
たくさんの写真をパシャパシャ撮るのに
心理的ブレーキがかかってしまう。
 
 
そうではなくて、
 
「心が動いたら、シャッターを押す」
 
「あっ!と思ったら、それを主役にしてみる」
 
そんな風に教えてもらったら、
なんの制限もなく、楽しく上達していけそうだよね。
 
 
 
 
そして。
 
これって、カメラだけではないような気がする。
 
 
よく、
 
「オリジナリティって、どうやれば出るんですか?」
 
とか、
 
「ブランディングって、難しいですよね」
 
と聞かれることがあるんだけれど、
ここにヒントがあるように思う。
 
 
難しく考えると、キリがない。
 
ただ、
 
「自分が一番心が動くもの」
「自分が一番心が動くところ」
 
それを「主役」にすれば、それが
 
「あなた独自の視点」
「オリジナリティ」
 
になってゆくんじゃないだろうか?
 
 
もちろん、写真に限らない。
 
心が料理に動くのならば、料理。
 
しかも、その中でもさらにイタリアンならば、
イタリアン。
 
さらに、その中でもパスタに、
 
さらに、その中でもペペロンチーノに心が動くならば
あなたは「ペペロンチーノ伯爵」になればいい。
(なんじゃそら(笑))
 
 
 
私ならば、一番心が動くのが、文章を書くこと。
 
その中でも、短めのエッセイやストーリー。
 
その中でも、誰かの考え方にインスピレーションを
提供すること。
 
そうやって「自分の心が一番動くこと」を
「主役」にしていることで、
 
「イグゼロさんの文章、オリジナルだわ」
 
と思ってくれる人が現れてくれている。
 
 
 
誰かに伝わるのは、
まず自分の心が「あっ!」と動いていること。
 
だから、まずは自分の心に耳を澄ませて、
ありのままに、自由にそれを「主役」にする。
 
世にあるもので、100%完全にオリジナルなものはない。
でも、あなたの心が動いた、そのフォーカスは
あなただけのものだ。
 
 
伝える手段は、写真でも、絵でも、文章でも、
スポーツでも、歌でも、楽器でも、料理でも、語りでも。
 
そして、登山でも、営業でも、経理でも、
ゲームでも、瞑想でも、おもちゃでも、人形劇でも、
なんでも、なんでもアリだと思う。
 
 
あなたの心が一番「あっ!」と動くことを主役にする。
 
その心の波動は、どんな手段であっても、
どこかの誰かには、必ず響く。
 
そんな風に思うんだよね。
 
 
 
「写真は、手紙を書くのと同じ」
 
 
今回、私にカメラを教えてくれたカメラマンさんは
こんな風にも表現する。
 
だれかに、自分の想いを届ける。
 
自分の心が動いた1シーンを
1枚の写真に「したためる」。
 
それを見た誰かが、また「あっ!」と心を動かす。
 
そんな、想いを届ける手段として
自分の愛するカメラを選んだんだろうね。
 
 
カメラ、写真だけでなく、
本当にいろんなものを教えてもらいました。
 
今回書いたのは、たくさんのレクチャーのうちの
ほんの、ほんの一部分。
 
 
深い知識、経験と、大きな愛情。
機会があったら、あなたもぜひ会ってみてくださいな。
 
ではでは。
 

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