スポンサーリンク

ナナメから『ウサギとカメ』

先日、久しぶりに会った友人から、
 
「イグゼロさんの“ナナメから童話を読む”シリーズ、
 最近書いていないですね。
 
 あれ、面白いんで、また書いてください」
 
とリクエストあった。
そこで、ちょい久しぶりに書いてみたいと思う。
 
 
 
というわけで、今回の童話は『ウサギとカメ』。
 
知っているとは思うけれど、一応あらすじを
おさらいしておこう。
 
 
むかしむかしあるところにウサギとカメがいて
ウサギがドジでのろまなカメをバカにしたところ
カメがウサギに丘の上までのかけっこをいどみ
よーいドンしたら始めはウサギがリードしてたんだけど
途中でウサギが寝ちゃっている隙に
カメが追い越してウサギに勝ちましためでたしめでたし。
 
っていう話だよね?
まぁ、適当だけど(笑)
 
 
 
普通はこの童話は
 
「油断していると痛い目にあうよ」とか、
 
「コツコツした努力が、何よりも大事だよ」
 
ということを伝えている、と語られるけれど、
本当にそうだろうか?
 
 
 
別のことを伝えているのならば、それは何か?
 
 
 
ナナメから読んでみたい。
 
 
すると、この童話の中で、もっとも違和感を感じる部分が
浮かび上がってくる。
 
それはどこかというと、
 
「丘の上までの駆けっこを、
 “カメの方から”提案している」
 
というポイント。
 
 
完全に不利な「負けいくさ」を
なぜカメの方から挑んでいるのか?
 
これって、おかしくね?
 
マジ、カメおかしくね?
 
 
そうやって考えると、けっこう不自然な部分が出てくる。
 
もしゴールが「丘の上」じゃなくて、
もっと短い距離だったら、カメは負けている。
 
さらにもしゴールが「丘の上」より長くても、
寝ていたウサギが挽回して勝っているだろう。
 
 
短すぎず、長すぎず、
ウサギが寝る前に勝負が終わらず、
ウサギが目覚めた後、挽回できない距離。
 
それが「丘の上」だったんじゃないのだろうか?
 
それを、カメは計算ずみだったのはないだろうか?
 
 
となると、もうカメは完全に確信犯で、
 
「途中で、ウサギは寝る」
 
ということを事前に知っていたことになる。
 
 
ざわ・・・ざわ・・・
 
ざわ・・・
 
 
それは、カメがウサギの「居眠りグゼ」を
知っていたのかもしれない。
 
あるいは、試合開始前にウサギに
一服盛ったのかもしれない。
(ひでぇよカメ!)
 
 
でも、そう考えでもしない限り、
「カメの方から」勝負を挑むという理由が
みつからないんだよね。
 
 
さらに、
 
純粋に勝負をしたいのであれば、
なんでカメは寝ているウサギを起こさなかったのか?
 
スポーツマンシップに則るのであれば、
カメは「アンフェア」だとも言えるような気もする。
 
 
「勝負はカメの方から挑んだ」
 
「途中でウサギを起こさなかった」
 
状況証拠。証拠不十分で起訴されないものの、
このカメは限りなく「クロ」に近いような気がするんだよね。
 
 
 
ちなみに、他のバージョンの
『ウサギとカメ』があるんだけれど、
そっちはもう完全に「クロ」。
 
 
丘の上までの競争を申し出るところまでは同じ。
 
その後カメは
 
「ぼくは道じゃなくて草むらを走るよ」と言い、
 
ウサギはそれを了承する。
 
 
その「草むら」には、なんとそのカメの家族が
ポイントポイントで待っていて、
ウサギが声をかけると
 
「ぼくもがんばっているよー」
 
とカメA、カメB、カメCなどが返事する。
 
そして、ウサギががんばってゴールにつくと
すでにゴールにカメがスタンバっている。
 
という話だ。
 
 
ウサギはフルマラソン。
 
カメは駅伝。しかもゴールにいるという・・・
 
 
ひどいよカメ!
かわいそうだよウサギ!
 
 
と思うけれど、それが現実だ(童話だけど)。
 
 
 
 
さてさて。
 
 
では、私たちは、
この「ナナメからウサギとカメ」から、
何を学べばいいだろうか?
 
 
いろいろ学べると思うんだけれど、
 
「相手に不利で、自分に有利すぎる話を
 相手がオファーしてきた場合はご用心」
 
だと思う。
 
 
現実世界でも、いろいろあるでしょ?
 
「こうやれば、絶対儲かりますよ!」
 
「採算度外視!赤字覚悟!」
 
「私はもうお金要りません。
 あなたに儲けて欲しいんです」
 
「きれいな女性とデートするだけで
 お金ももらえます」
 
みたいな話。
 
 
まぁ、ごく稀には、そんな聖人みたいな人も
いるのかもしれない。
 
が、だとしたら、なぜそんな話が
自分に来たのかが判明しない限り、
手を出すべきではない。
 
 
相手は、あなたにオファーしてきたのには
必ず意味がある。
 
そして、それが以前からの仲良しとか
恩義のある人でないかぎりは、
 
「あなただけに有利。
 オファーしてきた人にメリットなし」
 
なんていう話は、どう考えてもおかしい。
 
 
ウサギは、カメの
 
「あの丘の上まで競争しましょう」
 
という、どう考えても自分に有利で
カメにメリットの無い「カメからの」オファーを
疑うことなく受け入れてしまった。
 
 
その時点で、ウサギの負けは
決まっていたと言える。
 
 
 
「有利すぎる話」
 
「ノーリスク高リターン」
 
こんな話があった時には、必ずその裏にある
 
「オファー側のメリット」
 
「なぜこんなオファーをするのか?」
 
を見極めた方がいいかもしれないよね。
 
 
ふぅ、久しぶりに完全にハラグロナナメ投稿で
スッキリした(笑)
 
ではでは。

YouTube版はコチラ

 ↓


 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク