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夜逃げの思い出

そういや、今までで
夜逃げには5回、関わった。
 
ギャンブルで身を持ち崩した人。
人が良すぎて低価格で売り続けた人。
自分のエゴでお金を使いすぎた人。
商才があったのに、時代に裏切られた人。
大規模投資が裏目に出た人。
 
全部、直接の関わりがあり、
顔が見えていた。
みんな、いい人だった。
 
そんないい関係だった人に
「あのタクシー、追いかけて」
とやったこともあるし、
 
30枚の手形を事前に切って、
毎日、閉店の頃に店に行き、
レジの現金をかっさらって
その人の目の前で、
毎日、一枚一枚手形を破くという
取立て役の30日が続いたこともある。
 
 
懐かしい。
 
でも、いつ自分が
「追われる」立場になるかは
分からないリアルだ。
 
その人たちは、今でも
その人たちの人生を送っている。
 
ビジネスは甘くない。
ゆるゆる夢だけ語るやつは嫌いだ。
 
でも、その中で
人の善性と、夢を見ていたいな。

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