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自己顕示欲という病。

先日、『永遠のゼロ』『モンスター』などで有名な
百田尚樹さんの新刊小説を読んだ。
 
 
今回読んだ本のタイトルは『夢を売る男』。
 
で、テーマは「出版」。
 
 
これは、文章を書く者として
読まんとあかんやろ!?
と、手に取った。
 
 
 
百田氏、あいかわらずの読みやすさで
2時間ちょいくらいで読み終わったんだけれど、
いやぁ、まいりましたね(笑)
 
 
テーマが出版だったんだけれど、そこには
 
「出版したいという人々をカモにして、
 お金を巻き上げようとする業者」
 
がメインに描かれていたわけ。
 
 
 
個人的には、このような業者さんがいることは知っていた。
 
 
。。。というか、私にも以前、
 
「本を出しませんか?」
 
と、オファーが来たことがあるし(笑)
 
 
 
でも別に、そういう業者さんが
「悪徳」とも限らないので、そこはいい。
 
 
ただ、あらためて、
 
「自己顕示欲」
 
というものを考えさせられたなぁ、
という感じ。
 
 
 
 
自分史を残したい団塊世代の男。
 
自分は特別だ、と思っているフリーター。
 
知的レベルが高いと自負している主婦。
 
 
そんな人たちの自己顕示欲を刺激して、
高額なお金を狡猾にからめとってゆく「出版社」。
 
 
いやぁ、すごいね。
 
(全然関係ないけれど、
 昔、私のところにオファーが来た時と、
 提示価格がほぼ一緒だったから、やけにリアルだった。笑)
 
 
  
この「自己顕示欲」って、
本当にやっかいだわ。
 
 
「自分は、他の人と違う」
 
「周りの人に賞賛されていたい」
 
「もっと評価が欲しい」
 
 
みたいな欲望って、気をつけないと
本当にワルイ人に利用されちゃうものね。
 
 
 
でね。
 
 
この自己顕示欲の根っこって、
もっとも深い「べき」のひとつなんじゃないかな?
なんて思う。
 
 
どういうことか?というと。
 
 
 
私たちは、日々いろんな「べき」を持っている。
 
 
たとえば、
 
 
「法律は守るべきだ」
 
「女性にはやさしく接するべきだ」
 
「犯罪者は罪を償うべきだ」
 
 
とかから始まり、
 
 
「本は読むべきだ」
 
「男も料理を作るべきだ」
 
「師匠を持つべきだ」
 
 
といったような、
ちょっと意見が分かれるようなものもあり、さらに
 
 
「もっとわが社の製品を買うべきだ」
 
「私が通る道は、渋滞しないべきだ」
 
「私のやり方で、みんなやるべきだ」
 
 
みたいに、
 
「アンタそれワガママですやん」
 
と思われるようなものまで、様々だ。
 
 
 
 
そして。
 
 
その中で究極的にワガママで、
おそらく誰もが持ってしまっている「べき」。
 
 
それは、
 
 
「私は大切にされるべきだ」
 
 
なんじゃないかな?と思うけど、違うかな?
 
 
 
さらに、もっと言うと
 
 
「私は他の人より、特別に大切にされるべきだ」
 
 
と進んでゆき、それがいびつに増大してゆくと
ワルイ人にからめとられる
 
 
「自己顕示欲」
 
 
という病に侵されるようになってゆくように思う。
 
 
 
まぁ、
 
「私を大切にしてもいいし、
 大切にしなくても、どっちでもいいよね~」
 
と、心の底から思えたのだとしたら、
それは一種の「悟り」に近いだろうから、
そこまで突き進まなくてもいいようにも思う。
 
 
ただ、
 
 
「誰もかれも!!私を常に一番!最優先に!
 特別なはからいをもって!
 大切にするべきなんだぁーーーっ!!!!!」
 
 
みたいになってしまうと、
日常生活に支障をきたすだろうし、
 
先ほどから言っているように、
カネ儲けにも利用されてしまう危険性もある。
 
 
 
また、
 
 
「みんな私を大切にすべきだ!」
 
「なぜなら、私はスゴいんだから!」
 
 
と、なにかを成し遂げようとするエネルギーに
向かう場合は良い面もあるだろうけれど、
 
 
「なんだかイタい人」
 
 
とも表裏一体だから、
気をつけないといけないよ。俺。(笑)
 
 
 
 
さてさて。
 
「みんな私を大切にするべきだ」
 
という思いは、そう簡単に手放せるものでもないし、
無理に引き剥がそうとする必要もないだろう。
 
 
 
だから、心では、そう思っていていいと思う。
 
 
ただ、頭の片隅で、冷静に
 
 
「全員が全員、
 私のことを大切にできない事だってあるよね」
 
「できれば大切にされたいけれど、
 それぞれの人がみんな、そう思っているんだ」
 
 
と思っていた方が、かえって傷つくことが減るかもしれないよね。
 
 
 
「大切にされたい」
 
「特別な存在であることを認めて欲しい」
 
という思いに支配されて、
それが「渇き」のようにまでなってしまうと、
 
 
「自己承認乞食」
 
「エゴの亡者」
 
 
みたいになって、誰かに利用されやすくなるだろうから、
ホント俺は気をつけた方がいい(笑)
 
 
 
ってなわけで。
 
 
自己顕示欲と向き合いたいなー、
なんていうタイミングの方は、
 
『夢を売る男』
 
読んでみてはいかがでしょうか?
 
 
特にリンクは貼らないけれど(笑)
 
 
 
ではでは。

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