昨日は
「独立と起業は違う」
という話を書いたんだけれど、
これが予想以上の反響だった。
独立は、今までやっていたことの延長で出来る。
自分の意識、マインドも、それほど変えなくていい。
対して、起業は“業”を“起こす”んだから、
今まで自分がやってこなかったことをやったり、
自分が苦手としていることにも向き合わないといけない。
起業したのにうまくいっていない人は、
「独立」と「起業」をごちゃ混ぜにしている人が多いよ。
独立と企業は、
「まぜるな、危険!」
だよ。という話だったね。
今回は、前回の話を受けて
「じゃあ、起業マインドって、なに?」
というお話。
「独立じゃなくて、起業をするためには
マインドの変化が必要」
というのは分かったけれど、
じゃあ、具体的には、どんな変化が必要なの?
っていう疑問を、ちょっと考えてみたいと思う。
もちろん、変化させなければいけないマインドは
それこそ無数にあると思う。
けれど、大きくは2つのマインド変化が
大きなチャレンジなんじゃないかなぁ、と思う。
その2つとは、
「お客様のためになることは、すべて実行し続ける」
ということと、
「自分の中にある、お金を受け取るブロックをとる」
ということ。
ひとつひとつを、具体的に見ていこう。
まず、
「お客様のためになることは、すべて実行し続ける」
ということ。
これ、けっこう大変なんだよね。
色々なことにぶつかるたびに
「こんなに私は自己中心的な世界で生きていたのか!?」
と、ショックを受ける。
自分が消費する側だったら、
「こっちの商品より、こっちがいい」
とか、
「あれはいい、これはダメ」
なんて、ものすごく上から目線で考えてていいんだけれど、
いざ、提供する側になると、
「これくらいの努力でいいよね?」
「効率も考えなくちゃ」
なんていう気持ちが出てくる。
そして、そう考えて作った商品やサービスは
間違いなくお客様に受け入れられない。
当たり前って言えば、当たり前だよね。
さらに。
お客様のためになることは
「すべて」
実行しなければならないので、
提供する商品、マーケティングやサポート体制など、
比較的お客様の目に見える部分に配慮するのはもちろん、
アウトソーシング先との関係強化や
経理事務や
従業員のやる気の維持や、
クレーム対応や、
自分の健康管理など、
たくさんたくさんのことを
「お客様のために」
やる必要があるわけ。
極論すれば
「自分が嫌われ者になる」
ということがお客様の為になるのであれば
それも実行することが必要だろうし、
「自分の得たい結果が遠のく」
のであっても、お客様の為に
チョイスする場面もあるだろうし、
「自分がカッコ悪く、バカ呼ばわりされる」
ということでも、やる必要がある時は
実行することもあるだろう。
自分を完全に放棄して、
どれだけ奉仕できるのか?
「ここまでが、自分の仕事」
といった役割とか、枠を外して
どこまでのことができるのか?
そんなことが必要になるみたいだね。
で。
それだけで終われば、まだ話は簡単だ。
しかし、もうひとつのチャレンジがある。
それが、
「自分の中にある、お金を受け取るブロックをとる」
ということ。
自分が提供している商品、サービスに
適切な価格を提示して、お客様からお金を受け取る。
これも、けっこうハードルが高い。
自分では、商品の原価とかが100%分かっているわけだ。
その中で自分が生み出した「付加価値」が
いったいいくらなのだろうか?ということを
客観的に判断して、お客様に提示しなければならない。
自分がやってきている事が、
どれだけの価値があるのか?
それは、お客様からお金を頂戴するだけの
意義があるものなのか?
これを、すんなり出来る人と出来ない人がいる。
ちなみに、私は
「お金を受け取る」
という心理的抵抗感に、けっこう悩まされた一人だ。
「原価がほとんどかかっていないものに、
一体、どれくらいの値段をつければいいんだ?」
「この価格は、本当に適正なのだろうか?」
ということを、きちんと出来るようになるには
けっこう時間がかかった。
ただ、その時にお客様に
「いい顔」をしたいというエゴを手放して、
きちんとお金を受け取ることが
今後も継続してサービスを提供し、
サービスの質を向上させることだ。
ということが腹に落ちてからは、
ちゃんと受け取れるようになったんだけれどね。
さて。
上記2点の
「お客様のためになることは、すべて実行し続ける」
ということと、
「自分の中にある、お金を受け取るブロックをとる」
ということは、相反する関係にある。
お客様のためになることを実行するのであれば
価格は限りなく安くした方がいいし、
究極的にはタダの方がいい。
でも、
ビジネスとして進ませていくためには
自分のお金のブロックをとり、
きちんとお金を受け取るのを、
当たり前の感覚にする必要がある。
センスが
ある程度ある人は、
このどちらかは、自然に持ち合わせている。
しかし、両方を起業する前から持っている人は、まれだ。
だから、起業した後で
自分の中のチャレンジが始まるんだけれどね。
いま、この記事を読んでくれているあなたが
起業をするかどうかはわからない。
ただ、
「あー、起業マインドって、こんなものなのかもなー」
ということが、あなたのインスピレーションを
刺激してくれればいいな、と思うよ。
と、これを書いているうちに
「なんでこんな面倒くさいのに
起業なんてしているんだろう?俺?」
と、呆然となったことは、秘密だよ(笑)
ではでは。