スポンサーリンク

情報飽食の時代に。

先日、とある方のセミナーに参加してきた。
 
 
そこで教えてもらったキーワードのひとつに、
 
「今は“おなかいっぱいの時代”」
 
というのがあったんだよね。
 
 
どういうことか?というと。
 
 
昔々は、モノがとにかく足りない時代だった。
 
食べ物。
家。
電化製品。
車。
 
などなど・・・
 
 
そのため、
 
「満たされたい!」
 
というのが、日本国民全員の
共通した願いだった。
 
 
 
「大量生産、大量消費」
 
「大きいことは、いいことだ」
 
「所得倍増計画」
 
など、様々なキーワードは、いわゆる
 
“空腹の時代”
 
を象徴する言葉だったのかもしれない。
 
 
 
しかし、そこから。
 
先輩たちの頑張りにより、
日本は物質的に豊かな国へと変わって行った。
 
輸入した資源に付加価値を加え、
様々なモノを世界の人々に届けるようになった。
 
 
日本の人々は、
 
食べ物を手に入れ、
家を手に入れ、
電化製品を手に入れ、
車を手に入れた。
 
たくさんのモノがあふれているのが日常となり、
生まれた時からモノがあるのが当たり前の世代が
社会の形成する割合も、徐々に増えて行った。
 
 
 
そして、今。
 
 
「追いつけ追い越せ!」
 
という、明確な目標はなくなり、
モノは大量に溢れる時代になった。
 
 
昔だったら皆が飛びついた
モノやサービスも、思ったようには売れない。
 
 
逆に、
 
『人生がときめく片づけの魔法』
 
『断捨離』
 
『捨てる技術』
 
といった本が、爆発的に売れるようになる。
 
 
 
昔の人だったら、「豊かに生きる」という言葉と
「シンプルライフ」というのは、
まったく逆の響きだっただろう。
 
しかし、今の人には、近い響きに聞こえる。
 
 
 
もちろん今でも、
 
「大金持ちになりたい!」
 
と思っている人は多い。
 
(というか、私も含めて
 ほとんどの人が思っているだろう)
 
 
でも、
 
「じゃあ、大金持ちになったら
 何にお金を使う?」
 
と質問されて、
 
「全てをモノを買うのに使う!」
 
と答える人は、極めて少ない。
 
 
少ないし、欲しいモノを箇条書きで
羅列してもらっても、
大抵の人は30個も書かないうちに
 
「えーっと・・・」
 
と、考えないと出てこなくなる人が
大勢を占める。
 
 
 
あふれてしまったのは、モノだけじゃない。
 
 
ネットやメディアの発達により、
知的財産や情報も、以前とは比べ物にならないほど
あふれている。
 
 
家にいても、
電車に乗っても、
街を歩いても、
 
朝起きてから寝るまで、
ずーっと情報のシャワーを浴びせ続けられている。
 
今は、そんな時代なんだよね。
 
 
 
 
そんな現状を、先日行ったセミナーの講師の方は
 
「おなかいっぱいの時代」
 
という言葉で表した。
 
 
絶妙なキーワードだと思う。
 
 
 
たぶん、モノや情報の渦は
ピークアウトはしているものの、
これからも続くだろう。
 
 
特に、情報に関しては、まだまだ私たちを
なだれに巻き込むがごとく
混乱させるに違いない。
 
 
我々は
「情報飽食の時代」の「情報肥満」
になって、心の健康を害しているわけだ。
 
 
 
 
 
じゃあ、そんな時代、
どうすればいいのか?
 
講師の方は、思いきったことを実行した。
 
 
 
それは、
 
「情報断食」。
 
 
 
 
ネット、新聞、メディア、
様々なところから飛び込んでくる情報を、
極限までシャットアウトし、生活したのだ。
 
その期間、なんと3年間。
 
 
しかも、現代人ならば誰にとっても難しいこの
「情報断食」を、その人の本業である
「本の業界」に携わりながら、続けたという事だ。
 
 
 
すごくね?
 
マジ、すごくね?
 
 
 
もちろん、仕事上どうしても必要な情報には
最低限触れる。
 
でも、情報が命とも言える業界にいながら、
できるかぎりの、ありとあらゆる情報を遮断するのは
大変な決断と勇気のいったことだと思う。
 
 
 
で、その結果として、より深く見えてきたものなどを
シェアしてくれたんだけれど、
 
 
「ホント、今は、気づかないうちに
 情報の渦の中で、溺れてしまっているんだなぁ」
 
ということを、あらためて気づかせてもらった。
 
 
 
 
情報飽食時代に、気づかずに情報肥満になっている私たち。
 
 
そうは言っても、それに気づいたとしても、なかなか
「情報断食」まで思いきったことはできない。
 
私以外にも、そんな風に思う人もいるかもしれない。
 
 
 
ただ、もし、
 
「ああ、そういえば最近、
 “情報肥満”気味かもしれないな」
 
と思うのであれば、できることはあるんじゃないかな?
なんて思ったんだよね。
 
 
 
「断食」まで行かなくても、
「ダイエット」「デトックス」くらいは出来るかもしれない。
 
 
 
ほら、
 
食べ物も、加工されたコンビニ弁当よりも、
手料理の方が体には良い。
 
刺激的なギトギトの食べ物よりも、
シンプルな味のものの方が、負担が少ない。
 
たまにはジャンクフードも良いけれど、
いつもは自然のものの方が良い。
 
 
そうじゃない?
 
 
これって、情報も、同じだと思うんだよね。
 
恣意的なメディアに「加工」された情報よりも、
周りの人たちとの「手作り」の会話がいい。
 
刺激的な情報よりも、
普遍的な原則の方が、心への負担は少ない。
 
たまにはジャンクな情報もいいけれど、
いつもは自然と耳に入ってくるものだけいい。
 
 
 
そして、食べ物と同じように、
インプットしたものをため込んだりしても
淀み、肥満になるだけだ。
 
インプットよりも、アウトプットをした方が
心がスマートでいられる。
 
そして、当たり前だけれど、
インプットするものが良いものでないと、
アウトプットも良いものにならない。
 
 
 
「もっと、もっと!」 
 
と、目の前にある刺激的な情報をほうばり続けて
肥満で動けなくなるんじゃなくて、
 
自分に必要なものだけを、必要な分だけ摂取して
きれいにアウトプットする。
 
 
そんなことも、意識してみるのもいいかもしれないよね。
 
自戒を込めて。
 
 
ではでは。
 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク