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セルフフェイク

「お前は、私の若いころにそっくりだ」。
 
あなたもそんな風に、
年上の誰かに言われたことがあるかもしれない。
 
 
尊敬できる人に言われたのであれば
飛びあがらんばかりに嬉しいだろうし、
 
そうでもない人に言われたのであれば
 
「放っておいてほしいわ」
 
と思うに違いない(笑)
 
 
 
いずれにしても、
 
「私の若いころにそっくり」
 
と言っている年配の方は、あなたの中の何かに
自分を投影して思い出しているわけだよね。
 
 
これって、とても素敵な事だと思うので、
なにも「年長者の特権」にしておくのは、もったいない。
 
と思うのは、私が変わり者だからだろうか?
 
 
 
 
以前、とある識者の講演会に参加させていただいたことがある。
 
 
その方は、知識に裏付けされた本質的知恵を備え、
それを自慢するでもなく、ひけらかすわけでもなく、
 
「私もまだまだ」
 
「生涯、いち学徒です」
 
と、心から謙虚にたたずんでいる、
素晴らしい「あり方」を体現している人だった。
 
 
 
その方の講演を聞いている時に、ふと心に浮かんだのが、
 
 
「ああ、この方、
 私の年を取った頃に、そっくりだ」
 
 
という言葉だった。
 
 
 
いやね。
 
本当にその方のようになれるかなんて、分からない。
 
また、本人にそんな事を言ったら
気分を害される可能性が極めて高い。
 
 
 
でもさ。
 
 
年配の人が
 
「お前は私の若いころにそっくりだ」
 
という言葉だって、本当にそっくりだったのかなんて
分からない。
 
 
年配者の記憶が、かなり美化されていることだって
可能性はゼロではないよね?
 
 
だったら、若輩者である私が、心の中でだけ
 
 
「私の年を取った頃に、そっくり」
 
 
とつぶやくのは、別に構わないんじゃないかなぁ、
なんて思う次第。
 
 
 
尊敬している先生や師匠の中に、
将来の自分を重ね合わせてみる。
 
それは、年配者が若者を見て、
若かりし自分の姿を重ね合わせるのと同じこと。
 
 
そうやって、
 
「今とは違う輝きを持った自分」
 
をイメージしてみるのは、本当に素晴らしいことだと
思うんだよね。
 
 
自分が選んで学んでいる先生や講師、師匠は、
少なくとも何かの分野においては、
 
「あんな風になりたい!」
 
「あの人みたいになりたい!」
 
と思っている部分が少なからずあるだろうし、
その憧れをもっと進めて、
自分を意識的に投影させてしまってもいいと思う。
 
(繰り返すけれど、あくまで自分の脳内だけでだよ?
 尊敬している方に上から目線で言って、
 破門されても責任は負えないからね!笑)
 
 
 
また。
 
 
他にも、色んな人と自分を重ね合わせてみて、
 
「今の自分とは違う輝き」
 
を想像してみるのも、可能性を広げるのに効果的だと思う。
 
 
たとえば、
 
 
「ああ、私が女(男)だったら、
 この人みたいになっていたかもしれない」
 
 
と、今の自分とは違う性別の人の生き方に
共鳴をしてみたり、
 
 
「もし私が今の仕事をしていなかったら
 こんな人になっていたかもしれない」
 
 
みたいに想像してみるのもいいと思う。
 
 
何も、そうやって想像したからといって
性転換手術するためにマカオの航空チケットを
ゲットしなくてもいいし、
 
今の仕事を放り出して転職するために
ダーマ神殿に向かったりしなくてもいい。
(知らない人はまったく知らないドラクエネタ)
 
 
 
ただ、
 
「いつもと違う自分」
 
という視点を持ってみると可能性が広がるし、
今あることに対する感謝の気持ちも
湧き上がってくるかもしれない。
 
 
心の遊びとして、楽しんでみるのもアリかもしれないね。
 
 
いい意味で、自分を騙してみる。
 
 
そんな「セルフフェイク」を
上手に活用できるのも、面白いよね。
 
 
ではでは。

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