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達人とは?

私の師匠の一人に、超一流の武術家がいる。
 
 
空手や合気道といった
ポピュラーな武術も体得しているかと思えば、
忍者の体術なども会得している人だ。
 
 
師匠に対してこう言うのは大変失礼だが、
私の師匠なわけだから、まぁ変わり者だ(笑)
 
 
まぁ変わり者は変わり者なんだけれど、
その人の「あり方」は、本物だと思っている。
 
 
武術家というと、荒々しく厳しいイメージかもしれないが
その方は非常に温厚で、
稽古の時も怒られるということがない。
 
 
道を極めんとしている姿に、
武術だけでなく、さまざまなものを学ばせてもらっている。
 
 
 
さて。
 
 
今回は、その師匠が教えてくれた
「達人」ということについて、シェアしようと思う。
 
 
 
武術で言うところの「達人」というと、
どんなイメージだろうか?
 
 
いろんなイメージがあるだろうけれど、
 
 
いつ、いかなる時も隙がなく、
どんな攻撃をされたとしても対処できる。
 
 
なんていうのも含まれるんじゃないかな?
と思うんだよね。
 
 
たとえば、100人の人がいたら、
攻撃方法は100通りあるだろう。
 
 
達人は、その100通りの攻撃方法すべてに
対処できる人だと思っていたんだよね。
 
 
 
 
 
でも、
 
もちろんそういった側面もあるんだろうけれど、
師匠の教えてくれたのは、
私の想像とは、ちょっと違っていた。
 
 
 
まず、達人は100通りの攻撃すべてに
対処しようなんて考えない。
 
 
まぁ、いざ攻撃をされたら
対処できなくはないんだけれど、
 
 
「100通りの攻撃に対処する」ために
技を磨くという発想をしない。
 
 
 
 
 
そうではなくて。
 
 
100通りの攻撃を、
もっとも自分が対処しやすい形にするために
あえて隙を作る、 
 
 
という発想をする。
 
 
 
例えば、
 
全身からオーラがみなぎっていて、
どこからみても隙がない状態だと、
相手はどこから攻撃してくるかわからない。
 
 
結果として、相手は
「その人が最も得意とする攻撃方法」で
攻撃をしようとする。
 
 
そして「最も得意とする攻撃」は
100人いたら100通りあるわけだ。
 
 
すると、達人でも対処は困難となる。
 
 
 
 
 
達人は、そんなに手間のかかる方法はとらない。
 
 
 
例えば、
 
全身に隙がない状態の中で、
あえて脇腹だけ隙を作る。
 
 
すると、
 
「あ、脇腹に隙があるから、あそこを攻撃しよう」
 
と、相手は考える。
 
 
結果として、
100人いたら100通りの攻撃方法があるはずなのに、
急に攻撃方法が限られてしまう。
 
 
相手は、いつのまにか自分が一番得意な攻撃方法を捨てて、
安易な攻撃方法を選んでしまう。
 
 
達人は、すべてに対処しようとするのでなく、
自分が対処しやすい形に誘導するプロフェッショナルを
めざすそうなのだ。
 
 
 
で、
 
最終的に、相手は力を出し切れないまま、
なんとなく達人のペースに巻き込まれて敗北する。
 
 
そんな感じらしいんだよね。
 
 
 
「相手に力を出させない」
 
「自分のペースに誘導する」
 
「自分の得意とする技を出しやすい状況にする」
 
というのが、達人を達人たらしめているそうだ。
 
 
 
 
 
で。
 
 
 
これって、武術の世界だけじゃなくて、
日常のコミュニケーションの中にもあるなぁ、
と思ったんだよね。
 
 
たとえば、
 
 
「なぜか、この人の前だと
 自分が言いたいことを言えずに、
 相手の思い通りにされちゃうなぁ」
 
 
とか、
 
  
「なぜか、自分の力の100%を出せずに
 相手に合わせちゃったなぁ」
 
 
なんてことって、ない?
 
 
 
それは、
 
「自分の本来の力が出せれば
 相手の思い通りになんてならないのに」
 
とか、
 
「言いたいことが全部言えれば
 私の意見の方が優れているのに」
 
なんて考えるのは、実は違うのかもしれない。
 
 
 
まぁコミュニケーションは勝負ごとではないので
「勝った」「負けた」なんて考えなくていい。
 
 
ただ、誰が特定の人の前だと
言いたいことも言えなくなってしまうのは、
相手があなたの力を出させない「達人」なのかもしれないね。
 
 
 
 
できることならば、
 
どんな人の前でも、
きちんと100%の力を発揮できる人に
なりたいものですわ(笑)
 
 
 
 
 
仕事でも、恋愛でも、コミュニケーションでも、
100の攻め筋に対処しようとするのではなく、
 
100の攻め筋を
自分の最も得意とする1に誘導出来る人が、
成果を出すのかもしれないね。
 
 
 
ではでは。
 

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