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「極める」。あなたはどんなイメージがある?

 
今回は、私の師匠の一人から教えてもらった
「極める」ということの話。
 
 
あなたは、「極める」というと、
どんなイメージをもつだろう?
 
 
 
人によって様々だと思うけれど、
けっこうな人が共通して持っているイメージとして
 
「ピラミッドの頂点を目指す」
 
みたいなものがあるんじゃないかな?
と思うんだよね。
 
(あれ?違う?)
 
 
 
 
 
はじめは「すそ野」に立っているんだけれど、
 
なにかの「道」を極めるために、
ずんずん登っていく。
 
そして、唯一無二の本質に辿り着いて
「この道を極めた」みたいになる。
 
 
そんなイメージって、あるよね?
 
 
 
ところが、
 
 
私のお師匠さん(ちなみに武術の達人)は、
自分が体感してきた中で、
「極める」という事に、ちょっと違う考えを持っている。
 
 
師匠の考えでは、まず
ある一つの技なり何なりを伝えたとする。
 
それは、一つの基本形があり、誰に教えても
それほどの差異はない。
 
 
 
しかし。そこから、
 
「これは、体感的にはどう感じるだろうか?」
 
「私の今までの経験と組み合わせると、どうなるだろうか?」
 
「この技から、私が学べることはなんだろうか?」
 
「私の今の生活に、どう役立つだろうか?」
 
などと、一人ひとりが感じ始める。
 
 
 
 
すると、当たり前の話なんだけれど、
「道」を進めば進むほど、はじめは同じようなものだったのが
どんどん各人が違う体感覚を持つようになっていく。
 
 
もちろん、本質から外れたことをやり続けても
「道」を極めることにはならないし、
押さえるべきポイントみたいのはある。
 
 
 
ただ、道を極める過程において、
そして、技を体得するにあたって、
 
各人が感じる体感覚や、
別の経験とのリンクなどは、全然違うし、
違っていい、とのことなんだよね。
 
 
 
 
なので、
 
師匠のイメージの中では、
 
「極める」ということは、
 
 
「すそ野から始まり、ピラミッドの頂点を目指す」
 
という感じではなく、
 
「ある一点から始まり、無限にすそ野が広がっていく」
 
というイメージらしい。
 
 
 
そんなイメージを持っている師匠なので、
 
私を含むお弟子さんたちが、
プロセスにおいてどう感じるのかは自由だし、
本当に感じたことならば、何を言ってもいい。
 
みたいな教え方をしてくれる。
 
そして、その個人の感じ方、成長度に合わせて
それぞれに全く違うアプローチで教えてくれるんだよね。
 
 
 
 
 
 
教えるのが下手な人は、
 
「これは、こう」
 
「こうやるのが決まりだから」
 
「私が感じたのと違うから、間違っている」
 
なんて言って、枠にはめようとする。
 
 
 
教えるのが上手な人は、本質的な点だけは押さえて、
 
「やってみよう」
 
「なにを感じた?」
 
「あなたがそう感じたのならば、それも正解だよ」
 
「ここだけは、こうすると、やり易いかもしれないよ」
 
なんて言って、枠を広げようとする。
 
 
教えると言うことは、相手をコントロールすることではない
という、当たり前のことを実践できる人なんだろうね。
 
 
 
そして。
 
「枠を広げる」アプローチは、優しい反面、
弟子としては非常に厳しいプロセスを課されている
ことでもある。
 
 
 
だって、
 
「こうやっていればいい」
 
とか、
 
「これが合っていて、これが間違っている。
 だって、師匠がそう言うんだから」
 
と確認しながらやった方が、ラクじゃない?
 
 
 
 
でも、
 
自分の枠を広げられるだけということは、
 
「これは、今の私にとって、どうすればいいんだろう?」
 
とか、
 
「私にとって、この技を体得するには?」
 
という事を、自分自身で考えていかなければならない、
っていうことだからね。
 
 
 
 
 
 
自分で考え、
 
自分で実践して、
 
自分の体感覚を養っていき、
 
自分だけのあり方とやり方を体得していく。
 
 
 
 
「道を極める」というのは、
そういう事なのかもしれないよね。
 
 
 
 
そして、道を極める過程にそっと寄り添って
「道」を外れないように身守ってくれ、
各人に最適なヒントを提示してくれる。
 
それが、最高のお師匠さんなんじゃないかな?
なんて思ったりもする。
 
 
 
 
そんな師匠のあり方に感謝するし、
 
自分が人と接する時には、そんな風にありたいなぁ、
 
と感じる次第。
 
 
 
 
あなたにとって、「極める」というのは
どんなイメージですか?
 
 
そして、どんな風に教えてもらったら、
あなたがやりたいこと=道を極められそうですか?
 
 
ではでは。
 

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