私は、株式のトレーダーだ。
最近は、他の側面の方を知ってくれている人も
増えてきたので、
「え?セミナー講師じゃないの?」
「ライターさんなんじゃないの?」
という風に思っている人も多いかもしれない。
それはそれで正しいんだけれど、
「株式のトレーダー」
というのが、私のアイデンティティとしては大きい。
ま、そんな話はいいんだけれど(笑)
株式のトレーダー。
株を売ったり買ったりして、
利益を出していく人にとって、
「最も、おそろしいこと」
って、何だと思う?
「そりゃ、自分が買った株が大暴落するとか?」
「突然の事件とか天変地異で、市場が大混乱するとか?」
など、いろいろ考えるかもしれない。
でも、
自分ではどうしようもなくて、
最も恐ろしいことは、他にある。
それは、
「株価が、まったく動かないこと」
なんだよね。
たとえば極端な話、
朝、市場が始まって、夕方終わるまで。
市場で取引できるすべての株が1円たりとも
まったく動かなかったら、どんなにうまいトレーダーも、
株で利益をあげることはできない。
(オプションとかは別だけど)
株が上がっても、利益は出せる。
株が下がっても、利益は出せる。
でも、まったく動かなかったら、
もう、本当にお手上げなんだよね。
だから、基本的にはどんな乱高下があっても
「ああ、ありがたいことだなぁ」
と思えるんだよね。
で、
じゃあ、そもそも何で株は上下に動くのか?
というと、
「自分とは違う考えの人がいるから」
ということに他ならない。
なぜならば、
私が株を「買う」ということができる、ということは、
画面の向こうにいる誰かが「売る」ということを
選択していない限りは、売買が成立しない。
そして、当たり前の話なんだけれど、
株式市場では、みんなが利益を出そうと思っている。
それなのに、まったく同じ局面で
ある人は
「買おう」
と判断し、またある人は
「売ろう」
と判断する。
それが、自分の利益にとって最高のチョイスだと
みんなが思って行動している。
面白いよね。
100%上がる!と、みんなが分かっている株は
誰も売ろうとしない。
結果、誰からも買うことが出来ない。
逆に、100%下がると分かっていたら、
みんなが売ろうとして、誰も買おうとしない。
結果、これまた売買は成立しない。
「自分とは違う判断をする人」がいるからこそ、
売買は成立して、株価は動くことが出来る。
そんな仕組みなんだよね。
株の世界でプラスを得るために必須なこと。
それは、
「株価に変化があること」
「自分とは違う価値判断をする人がいること」
これは、間違いない。
で。
これって、株の世界に限ったことじゃないと
思うんだよね。
日々の生活の中で、
「楽しいこと」
「ハッピーなこと」
が起こるためには、大なり小なり
「変化」
がないと、起こり得ない。
「成長」とか「躍進」みたいなものを求める人には
大きな「変化」が必要だし、
「ささやかな幸せ」「何気ないやりとり」
みたいなものであっても、変化ゼロの状態では
感じることは、まずできない。
もちろん、「変化」があるということは、
楽しいことやハッピーな事ばかりでもないだろう。
株価が動けば、損をすることがあるのと同じだ。
でも、人生において最も恐ろしいことは、
「変化ゼロの状態になること」
なんじゃないかなぁ、と思う次第。
そして。
その「変化」を生み出してくれる最大の要因は、
やはり「人」なんだと思う。
あなたとは違う考えや、
あなたとは違う常識、価値観、
あなたとは違う選択をする人がいてこそ、
日常に「変化」は、もたらされる。
基本、自分とは違う考え方を持っている人がいると
「うわ、なにこの人」
「信じられない」
「バカなんじゃないの?」
「嫌い!」
という拒絶反応になりやすい。
それは、当然、私もそうだ。
でも、もし究極的に「自分と同じ人しかいない」
となったら、そこには「変化」は起きなくなり、
結果として、楽しさや幸福感も失われるだろう。
だから、
ちょっとイヤなことや、
自分への損失みたいなことがあったとしても
「この変化が、楽しさや幸せを生む」
「全く違う選択をする人がいるから、
私が今の生活を選べているんだなぁ」
と思うのも、いいかなと考える次第。
あなたは、どう考えるだろう?
ありがとう。日経平均大暴落。
おかげさまで、良い感じです。
ではでは。