「とにかく行動しましょう」
「あなたの未来は、あなたの行動にかかっています」
そんな風に行動をたきつける本って、
けっこうあるよね。
それ自体は間違いじゃないし、
やっぱり、どんなに立派な御託を並べても
実際に行動しない限りは現実は変わらない。
ただ、
単にやみくもに行動しても、
現社会では成果にならない。
それを、「行動しろ教」の人たちは
一切教えてくれない。
「行動しろ！って書いてあったから
行動しているのに、何も成果が出ないんです」
と問われた時に、
「そんなの、当たり前やん？」
ということに、気がつかない。
行動が成果に結び付かない場合は、
たぶんこれから書く「前提」が抜けている場合が多い。
言われてみれば当たり前の「前提」。
それは何だと思う？
「それは心のあり方です」
みたいな、うすらボンヤリとした話じゃなくて
現実世界での成果の話。
さて、なんじゃろう？（笑）
まぁ、そんなに引っ張る話でもないので
今回の話を続けるけれど、
行動の前に意識しなければならないのは、
「立場」
「役割」
ということ。
行動に意味をもたらし、それが成果となるのは、
あなたがそれをやる「役割」を担っているからだ。
少なくとも、現実社会では
「役割」を無視して何か行動しても
実社会的な成果や報酬は得ることができない。
あなたがどんなに人のためになることをやったとしても、
そこに
「この仕事をしたら、お金をもらいます」
という仕組みにのっとった「役割」を果たさなければ
お金はもらえない。
たとえば、完全出来高払いの営業職についていたら、
営業が「役割」だ。
そこで、完璧に事務とか経理をやっても、
報酬という成果は発生しない。
なぜなら、あなたが果たすべき役割は営業で、
お客さまとサービスを結びつけて
お金を支払ってもらうことが「役割」だから。
また、たとえば仲間とバンドを組んで
ベーシストの役割を果たすはずだったとしよう。
それなのに、いざライブが始まった時に
マイクを奪って歌い出したら、
その歌声がどんなに素晴らしくても
「なにやってんの？」
と、ひんしゅくを買うのがオチだ。
さらに極端に言うのであれば、
戦争という場面であるのならば、
敵兵を殺めるのは「役割」で、
人を殺めれば殺めるほど出世する。
もし敵兵に親切にして
命の限り彼らを守ろうとしたら、それは
「とんでもないこと」
として、厳罰をくらうことになるだろう。
繰り返すけれど、ここでいう「成果」とは
あくまで実社会での話だ。
人としては、誰かの命を奪うことや
誰かの命を救うことが、どう評価されるかは別の話。
ただ、
「行動すれば、成果を得られる」
なんていうのは、ものすごくお花畑的な発想で、
その前に
「どんな役割で？」
ということがなければ、単なるマスターベーションで
終わることも多い。
そして。
もちろん、ここでいう「役割」は、
誰かに与えられたり任せられたりすることもあるけれど、
自分自身で決める事もできる。
というか、自分自身で決めた方がいい。
自分で決めた、自分の役割を果たすために行動する。
そうすれば、その役割を果たした度合いに
見合った「成果」「報酬」を手にすることができる。
その成果や報酬が、どのような形でもたらされるのかは
役割を決めた時点で、だいたい予測も出来るだろう。
さてさて。
「役割」を自分で決めてから、行動する。
そんなの当たり前やろ？
と思うかもしれないけれど、いざ
「で、この行動で果たすべき役割は？」
と自問自答して、すぐに答えられるものばかりか？
というと、そうでもなかったりしない？
少なくとも、私は意識しないと
すぐに忘れてしまいそうだ（笑）
自分がやることなすことに、
すべて「成果」を求めなくても良いと思う。
人として、どんな風に生涯を送りたいのか？
ってことの方が大事な場面も多いだろう。
また、がむしゃらに行動することによって
活路が開けるということだって、あると思う。
ただ、
「なんで、こんなに頑張って行動しているのに
なかなか成果が現れないんだろう？」
と思った時には、自分の
「役割」を、もう一度見直してみても
いいのかもしれないよね。
自分が欲しい成果に見合った「役割」になっているのか？
実社会でのルールを
再確認するのもいいかもしれないよね。
ではでは。
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