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思考を放棄して分かること。

先日、また面白い話を聴くことができた。
 
 
今回の話をしてくれたのは、私が
尊敬しているビジネスマンの方で、以前
 
「命とは、“人は、一度、叩かれる”と書く」
 
と教えてくれた人物だ。
 
 
この世の中には、いろんな学びがあるけれど、
それを大別して
 
スピリチュアルとか宗教とか、
生き方とかあり方とか
「聖の世界の学び」と、
 
ビジネスとかコミュニケーションとか
お金儲けとか健康法とか
「俗の世界の学び」とがある。として、
 
 
「この人、ホンマすげーっ!!!」
 
「どっちも、超人レベル!!」
 
 
という人は、私が実際に会った人では
この人と、あと一人くらいしか知らない。
 
どちらかに精通している人はいるけれど、
両方となると、めっちゃ数が限られる。
 
(もちろん、世の中には、もっともっと凄い人が
 たくさんいるのだとは思うけれどね)
 
 
そんな人が、また飲み会の席で話してくれた話だ。
 
 
 
「イグゼロさん、この世には過去も未来もないんですよ。
 あるのは、今だけです」
 
 
その人がそんな風に口を開いた時には、正直
 
 
「ああ、似たような話を
 どこかでも聴いたことがあるな」
 
くらいの認識だった。
 
 
でも、そこから
 
 
「うぬぬ、言われてみれば、確かに」
 
 
という展開が待っていた。
 
 
その人は、こんな風に説明をしてくれた。
 
 
「過去って、1秒前でも数十年前でも
 単なる記憶ですよね」
 
 
ふんふん。そうですよね。
その記憶が事実なのか、それとも一部がねじ曲がったものなのか、
それすら分からない、あいまいな記憶でしかない。
 
 
その人は続ける。
 
 
「そして未来って、一瞬先でも数十年先でも
 想像でしかないですよね」
 
 
たしかに。
それがたとえ確実に思える未来であろうが、
不確かな未来であろうが、いずれにしても
想像の域を超えることは、ありえない。
 
 
 
その人は、淡々と話を締めくくる。
 
 
「過去の記憶、未来の想像。
 そのどちらもが、すべて頭だけで作られた
 思考の産物なんですよ」
 
 
と。
 
 
 
 
 
当たり前だけれど。
 
 
私たちは、頭だけで生きているのではない。
 
もちろん頭で考える思考も大切だけれど、
それ以外も持ち合わせながら生きている、いち生命体だ。
 
 
私たちには、思考のほかに、
 
 
生身の身体がある。
 
 
見て、聞いて、嗅いで、触って、味わう五感がある。
 
五感以外の感性もある、と言われている。
 
 
さらに思考とは別にある感情もあるし、
 
さらに奥には、もっと他の何かがあるかもしれない。
 
 
 
でも、「過去」や「未来」に行けるのは、
たくさんの構成要素からなる私たちのごく一部である
 
「思考」
 
だけしかないんだよね。
 
 
 
もちろん、
 
「体感覚をともなって過去を思い出す」
 
とか、
 
「目の前に具現化するように未来が見えている」
 
という場合もなくはないけれど、
基本的には、
 
 
「過去や未来は、思考の産物」
 
 
と言ってしまっても、間違いではないように思える。
 
 
 
思考の能力を使って、過去や未来に思いを馳せることも
とても素晴らしい事だ。
 
 
ただ、その素晴らしさとは別の話として、
 
「過去や未来に行けるのは、思考だけ」
 
というのも、事実の側面だろう。
 
 
 
自己啓発的なメッセージを見ると、
 
 
「今を生きましょう!」
 
「今に集中しましょう」
 
 
みたいなものは多い。
 
 
しかし、なぜかそんなメッセージを読むと、
今だけを生きたり、今だけに集中するのが
やけに難しく感じたりもする。
 
 
 
でもさ。
 
 
自分の持っている能力のほんの一部分である
 
「思考」
 
さえ放棄しちゃえば、
あとは「今」しか生きられないんだよね。
考えてみると。
 
 
 
あなたがどうなのかは私には分からないけれど、
もともと完璧な頭脳ってわけでもないし、
そんなに大した思考能力を持っているわけでもない。
 
 
「今を生きる、かー。
 それは難しい、うーんうーん」
 
なんて唸っているのであれば、
 
その「思考」そのものを、ポイって放棄しちゃえば、
後に残るのは、
 
 
「今を生きる力」
 
「今を感じとる力」
 
 
しかないんだよね。
 
 
 
今回、そのことに気づかせてくれた、私が好きな
ビジネスマンの方は、そんなに言葉を重ねたわけではない。
 
 
でも、飲みながら語ったその話の背景には、
とても大きな愛情を感じたりもしたんだよね。
 
 
自分 - 思考 = 今
 
 
 
そんな「今」を楽しんでみる時間があっても
いいのかもしれないよね。
 
 
ではでは。
 

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