気まぐれで続けている
「誰もが知っている童話や昔話を
ナナメから見て、ヒネクレて考えてみよう!」
シリーズも、早18回目。
今回のお題は『ハーメルンの笛吹き』。
さっそくナナメってみよう!
さて、知っていると思うけれど、まずは軽く
あらすじのおさらいを。
むかしむかしあるところにっていうか
1284年6月26日にハーメルンってところで
ネズミ被害に悩まされている村人たちがいたんだけれど
みるからにあやしい服装の笛吹きが
ネズミ退治してやるわって現れて退治したんだけれど
村の大人たちが金を支払わないから
何の罪もない子供たちを誘拐しました。めでたしめでたし。
というお話です。ひどいですねまったく。
このお話を聞いて、まず誰でも思うのが
「笛吹き、商売が下手だなぁ」
という感想だと思う。
え?違う?(笑)
だって、お客さまである村人にとっては、笛吹きは
「単なる訪問販売のセールス」
なわけだから、本当に効果があるのかわからないじゃない?
しかも、いかにもネズミを獲りますよ的な
作業着とかを来ていればまだしも、
「誰あんた?サーカスから脱走?」
みたいな服装をしているもんだから、
信用しろっていう方が、どだい無理な話だ。
人は見た目が9割!って説もあるんだから、
まずは形から入ってほしいよね。
ホリエモンも、ジーンズ姿とかじゃなかったら
あんなに叩かれなかったんじゃないかな?
「見た目は大事」「第一印象は商売に必要」。
まずは覚えておきたい教訓だよね。
そしてさらに、
サービスの提供方法も、ド下手だ。
村中のネズミを一挙に退治するんじゃなくて
まずは村長の家一軒のネズミを退治するとかして
有力者の「推薦の声」を集めるべきだった。
「ここから先は有料です」アプローチすればよかったんだ。
「まずはお試しキャンペーン」
「どうぞご試食ください」
そんなアプローチは、サービス業なら思いつくだろ?笛吹きよ。
お試しキャンペーンの後だったら、
いくらでも喜んで村人は支払っただろうし、
さらにクロス販売で
「そのあとのメンテナンス」
「つい踊ってしまう笛吹きサービス」
「お子さまの誕生日には、ぜひ笛吹きを!」
「子供の教育にお困りの方、
笛を習ってみませんか?」
「ペストに立ち向かう
ドイツ笛吹き協会の会員になりませんか?」
などなど、いくらでも商売ができたはずなのだ。
それを、相手との信用関係が出来ていない状態で
契約書も交わさずにフルサービスを提供して
「おら!金払え!」
というのは、ビジネスマナーがなっていない。
そんな、NHK的な
「サービス提供したんだから金払え」
というのでは、人は喜んでお金を支払ってくれないという
顧客心理を読み取るべきだ。
しょせん本業は笛吹きということかもしれないが、
それなら商売上手な人とビジネスパートナーになるとか
いくらでも方法はあったはずだ。
少なくとも、この村の失敗を学びにして
「ああ、ボクは商売は下手なんだな。
でも、ボクの能力を見出してくれる人が
必ずいるはずだ」
と反省し、タレント事務所とか、害獣駆除サービスに
自分を売り込めばよかったんだ。
ちょうど時代は中世。
ペストとかが流行っている時だ。
商売の時流的に、最高の時だ。
うまくやれば、この笛吹きは
ビルゲイツとかマークザッカーバーグ並に
資産と名声を築けたかもしれないのに。
それが、こともあろうに逆ギレだよ、この男。
しかも、本来復讐したい大人たちに直接報復するんじゃなくて
子供たちを誘拐するとは、なにごと?
恋が実らなかった男がストーカーになって
女性の彼氏に嫌がらせする的な陰湿さ。
「こ・の・う・ら・み・
は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か・!」
って、お前は『魔太郎がくる!!』のウラミ魔太郎か!?
(知らない人は、華麗にスルーしてください。
藤子不二雄先生のキャラクターです)
そういう意味では、村人の
「こいつ、ホントに大丈夫なんか?」
という第一印象は見事に的中しているわけだから、
村人たちも自分たちの直感を信じて
丁重にお断りした方がよかったよね。
仕事をお願いする時は、その人の能力だけでなく、
最低限のマナーを守れるか?
ということも、この物語は教えてくれているよな?
。。。なっ!?(笑)
と、いうわけで。
笛吹き男に対しては、
「商売を上手にやりましょう」
「商売が下手なら、自分の役割を理解して
コンテンツ提供者に徹しましょう」
村人たちに対しては
「みるからにあやしい人には
仕事を任せるのはやめましょう」
「自分たちの直感を、もっと信じましょう」
という言葉を贈りたいです。
でも、けっこう同じようなことが
現代でも行なわれているんだろうね。
見るからに信用できない人が
「無料だから」と、うまい話を持ちかけてきて、
あとで高額なお金を要求する。
それを払えないというと、
まったくお門違いな報復に出る。
勝手に女の子に惚れて
プレゼント攻撃をしまくったりしたのに
女の子がその気にならないからと言って
逆ギレする。
「あなたの悩みにアドバイスするよ!」
とか言って話を聞いてくれたんだけれど、
アドバイザーの言う通りに行動しなかったら
プンスカ怒りだす。などなど。
自分が、いつ笛吹きの立場になるかもしれないし、
村人の立場になってしまうかもしれない。
ヘタしたら、自分はまったく関係ないのに
報復のネタとして「村の子供たち」に
なってしまわないとも限らないわけだ。
うーむ。奥が深いなぁ、この物語(笑)
お互い、気をつけたいものだよね。
商売は、ビジネスは、人を幸せにするために
あるものなんだから。
ではでは。