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ナナメから『眠れる森の美女』

気まぐれで続けている
 
「有名な童話、昔話を
 ひねくれた視点からナナメに読んでみよう」
 
シリーズも、19回目。
 
そろそろ一冊の本にしてもいい分量になってきました!
どうですか?出版者さま?(笑)
 
 
 
さて今回は、夢見る女子にも人気の高い名作
『眠れる森の美女』がターゲット。
(ターゲット、って、おいw)
 
 
書く前にあらすじを調べたんだけれど、諸説あるのね。
 
まぁ、諸説あるあらすじの中でも、比較的中核にあるものを
書かせてもらいます。
 
 
むかしむかしあるところにお姫様が生まれて
お祝いをしていたんだけれど、祝宴に呼ばれなかった
ぼっちの魔女が「アンタ、少女のうちに糸車で死ぬよ!?」と
呪いをかけたんだけれど、他の客が「眠るだけってことにしよう」と
魔法をかけ直して、結果、糸車に刺さるんだけれど
眠っていたら王子に助けられました。めでたしめでたし。
 
 
という感じ。
 
 
 
お客さんに呼ばれていたのは
「12人の魔法使い」とか「妖精」とかいろいろあるし、
 
眠っていた期間も
「100年」とか
「真の恋人からキスをもらうまで」とか、諸説ある。
 
だから、その辺は突っこまないでおこう。
 
 
ちなみに、もし「眠っている期間は100年」説を取るのだったら、
助けに行った王子様は、
 
「たまたまタイミングが良かった人」
 
なだけであって、全然ロマンチックじゃない。
 
 
「誰がプロデュースしても売れたであろう天才を、
 たまたまプロデュースした人」
 
とか、
 
「先達たちの功績のおかげで、
 再生間近だった企業に、たまたまタイミングよく
 社長就任した人」
 
みたいなもので、その人の実力とかは
まったく無関係だった、みたいになるからね。
 
王子様、涙目だわ。
 
 
 
ってなわけで、ナナメ読み本題。
 
 
どの説を取るにしても、どう考えてもこの事件で
一番の元凶を作っているのは、
 
「祝宴に魔女を呼ばなかったお父さん」
 
である王様だと思う。
 
 
おいおい、
 
せっかく赤ちゃんが生まれたのに
いくら好きじゃないからって、一人だけ呼ばないって
器が小さいなぁ。
 
そんなんじゃ、王国つぶれますよ?
 
 
あなたのやっていること、完全に
 
「あいつ、根暗だから
 ドッジボールから外そうぜ!」
 
的な、小学生のいじめレベルの行為だよね?
 
 
一国の王が、そんな事をしていたら、
その国の教育現場から、いじめをなくすことはできませんよ!?
 
もう、現代日本のいじめ問題は、
この王様がルーツと言っても過言ではないよね!?
 
(いや、過言だろうよ、俺)
 
 
 
さらに。
 
そんな風に、ひとりぼっちにされちゃう魔女だけれど、
本当に悪者だったのかは、かなり謎に包まれている気がする。
 
 
たしかに、15歳とか16歳で死ぬよ!
っていう魔法には、悪意が感じられるかもしれない。
 
 
でもさ。
 
 
もともとコミュニケーション障害(コミュ障)だったから
「あいつは呼ばない」みたいになったんだろうから、
もっと別の意味があったのかもしれないじゃない?
 
 
もしかしたら、
 
「あ、、、あたしも王女にプレゼントを。。。」
 
と思って、ちょっと勘違い的、てへぺろ的プレゼントを
贈った可能性すらある。
 
 
この時代の平均寿命は分からないけれど、
少なくとも今の時代よりは、幼いうちに亡くなってしまうことも
多かったはずだ。
 
 
日本の風習の七五三だって、
 
「子供が長生きしますように」
 
という願いを込めて祝ったわけで、
だから千歳飴という長寿の象徴が用いられる。
 
 
ということは、逆にそれだけ
「幼年期に旅立ってしまう子」という悲しい事件は
あとを絶たなかった訳だ。
 
それは、洋の東西を隔てたとしても
事情は変わらなかっただろう。
 
 
ということは、魔女は
 
「せめて少女になるまでは死なない」
 
という「長寿の魔法」をかけた可能性すらあるわけ。
 
 
それを、コミュニケーションが下手だから
 
「少女になったらオダブツ」
 
と表現しただけなのかもしれない。
 
 
 
「いやいやいや、それはありえへんわ」
 
と思ったアナタも、今から言う事実だけは
くつがえせない。
 
 
魔女と、その後に修正の魔法をかけた
妖精(もしくは魔法使い)の合わせ技によってなしえた、
究極のプレゼント。
 
 
それは、
 
 
「王女は、政略結婚の道具にされずに済んだ」
 
 
ということ。
 
 
 
「本当の恋人からキス」説を取っても、
「100年眠っている」説を取っても、
 
間違いなく免れることが出来たのが、政略結婚。 
 
 
この時代の王女と言えば、政略結婚による
自分の意思をともなわない結婚の道具にされることは
日常茶飯事だったはず。
 
 
そんな不遇の結婚をせずに、
ピッタリなパートナーと出会い、
その後も幸せに暮らしましたとさ、となったのは、
間違いなく、このコミュ障の魔女のおかげだ。
 
 
もちろん、魔女の後に魔法をかけ直した妖精がいたから、
というのもあるけれど、この妖精だってあやしいものだ。
 
 
「あ、やべー。
 プレゼント用意してくるの忘れたわー。
 ちょうどいいから、修正の魔法をプレゼントにしよう。
 ゼロから用意するよりも楽だし」
 
と思っていたかもしれないし、
 
「あ、この魔女のかけた魔法、そもそも眠る魔法だわ。
 これを“修正した”ってことにして
 私からのプレゼントにしちゃおう。
 魔女がコミュ障でホントたすかったわー」
 
という、ウラ事情があったかもしれないのだ。
 
真実は、もはや闇の中だ(笑)
 
 
 
さて、事実だけを見たとしても。
 
 
 
乳児、幼児の時に命を失うこともなく、
 
政略結婚の道具にもされることなく、
 
幸せな結婚を手に入れ、
 
なにより、世界トップレベルの
物語上のヒロインの座を勝ち取った。
 
 
 
これ、全部、魔女のおかげだよね?
 
 
だとしたら、いい人じゃね?魔女。
 
ちょっとコミュニケーション能力が足りなかっただけじゃね?
 
 
そんな風に思うのは、私だけ?(なんだろうね、きっと)
 
 
 
 
さてさて。
 
 
この物語から、私たちが学べること。
 
 
それは、
 
 
「コミュニケーションが下手な人の話にも
 きちんと耳を傾けよう」
 
 
じゃないかな?
 
 
「本当は、こんな意味で言ったんだよ」
 
「幸せになって欲しいから、あの時こうしたんだよ」
 
と言うことが伝わらない。
 
 
そんなことって、誰しもあるよね?
 
 
そんな時に
 
「あなたウザい」
 
とか、
 
「もう!なんでそんなことするの!?」
 
とか、
 
「あいつはパーティに呼ばないでおこうぜ!?」
 
みたいな扱いをされたら、
どんどんコミュニケーション障害になっていってしまう。
 
 
そうじゃなくて、
 
「本当は、どうしたかったの?」
 
「あなたの真意を教えて?」
 
と、手を差し伸べることが、
仲良くなるためには必要なのかもしれないよね。
 
 
 
少なくとも、この物語を真正面から読んだ時に得られる
 
 
「美女は周りが何とかしてくれるから、とりあえず寝とけ。
 ま、美女じゃなかったら知らんけどな」
 
 
という教訓よりは、素敵だと思います。
 
 
 
さて、今回のナナメ読み、
 
あなたには、どんな思いが生まれましたか?
 
 
モヤモヤしてくれたら、幸いです(笑)
 
 
ではでは。

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