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ナナメから『花咲かじいさん』。

今回のナナメ読みは、花咲かじいさんで行こう。
ってなことであらすじ。
 
 
昔々、性格が全く違う2組のカップルのうち、
一方が超常能力を持つ異能犬を味方にすると、
大地からは黄金が、木からは財宝が創生され、
最終形態では枯れ木に花を咲かせるという
季節を全く無視した暴挙に打って出ました。
 
という話だよね?(笑)
 
 
この物語の中で、注目すべき点は2つある。
その1つが、まずは、
「正直じいさん、正直じゃない疑惑」。
 
 
たしかに正直じいさんは、弱っているワンワンを
助けたわけだから、やさしいかもしれない。
 
が、
 
「ここ掘れ、ワンワン!」
 
と畑を掘ったら出てきた大判小判を、普通に
 
「あ、俺のモノ!」
 
と、すんなり受け取っているが、
それは人としてどうなのだろうか?
 
 
時代考証が必要なところではあるが、
おそらくおじいさんは小作人。
土地を持っているのは、地主なのではないだろうか?
 
だとしたら、「正直じいさん」を自認するのであれば、
 
「地主さま、畑から大判小判が出てきまして。。。」
 
と、まずは報告・連絡・相談するのがスジだろう?
 
 
百歩譲って、地主に相談しなかったとしても、
 
「これは、みんなの畑から出てきたのだから」
 
と、いじわるじいさんを含めた小作メンズに
均等割りでシェアするのがフェアだろう。
 
 
もちろん、自分が見つけたという功績はあるだろうから
多少は多くもらってもいいかもしれないが、
全取りは、アンフェアもいいところなのではないか?と思う。
 
正直じいさん、アンフェアだぜ!
 
のんきに
「おぉ~ばぁん、こばんが、
 ザーック ザーック グッフ ドム!」
とか歌ってる場合じゃねぇよ!(歌ってない)
  
 
…さらに5万歩譲って、全部自分のものにするとしても、
 
「これはありがたい話だ。
 仲間である小作メンズに、うちのポチを貸そう」
 
と、快く貸与してもいいのではないか?
 
 
自分のラッキーを独り占めしておいて
「正直じいさん」という栄誉まで後世まで遺す。
 
さらに、臼や、花を咲かせる灰を手に入れるのに
欠かせなかった存在である隣人を、
 
「悪の枢軸」
 
とまでレッテルを張る始末。
マスコミの偏向バイアスの原型は、きっとここにある。
 
 
「いじわるじいさん」と呼ばれている隣人に、
普通にやさしく正直に接していれば
異能犬の殺害という悲劇は起こらなかった。
 
なのに、知らぬ存ぜぬで
富と、人気と、栄誉を独り占めした老人。
 
それは、いかがなものなのか?と思う。
 
 
 
もう一つ。
 
この物語、とてつもなく「パートナーが空気」である。
 
 
他の昔話、例えば桃太郎では、
おばあさんも川に洗濯に行ったり、きびだんごを作ったりする。
 
かぐや姫でも、姫を一緒に育てたのは分かるし、
カチカチ山では密室殺人事件の被害者となる。
 
悪役として出てくる、舌切り雀とかもあるが、
 
「昔々、おじいさんとおばあさんが住んでいました」
 
って言うのなら、おばあさんにも少しは活躍の場を与えろよ!
助演女優賞のノミネートが難しくなるだろ!?
 
 
で、その結果、どうなるのか?
 
正直じいさん(自称)とパートナーだった女性(年齢不詳)は、
まんまと富裕層へと仲間入りし、
 
いじわるじいさん(レッテル)とパートナーだった女性(没年不明)は、
何もしていないのに、時代を経ても悪人だ。
 
 
もう、
 
「婚活で運命が決まる」
 
という、女性進出社会としては黙っているわけにはいかない
エピソードなのではないのか?
 
女性の不平等を訴える
ジェンダー問題専門家や、ポリコレ主張者は、
まず『花咲かじいさん』を問題視するところから始めるべきだ。
 
なぜ、これが放置されているのか?
まったく分からない!!
 
こんな思考に行き着くワタシは
もっと分からない!!
 
 
 
…さてさて。
 
 
さまざまなナナメ読みをしてきたが、
このような惨劇が起こったのは、すべて
 
「異能犬」
 
のせいなのではないか?
 
 
あれ、犬じゃないよね?
どちらかといえば、神に近い「神獣」だよね?
 
ただ、獣ゆえなのか、
めちゃくちゃ人の好き嫌いが激しかった。
 
自分が気に入ったじいさんには
本人の人格的器量以上の財物を与える。
 
そして、なんか気に食わないじいさんには、
何もしなければいいのに、
あえて相手が不機嫌になるものを放り投げる。
 
 
この異能犬の神格が上がれば、
より多くの人々が、
本能とミトコンドリアの支配から解放され、
 
「財物よりも、愛を大切に」
 
という真理に辿り着いたかもしれない。
 
 
そんな「人の業」と「勝者の論理」を教えてくれる物語。
本当に素晴らしいですね(笑)
 
 
ではでは。
 

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