「天動説・地動説」って、あるよね。
「天動説」は、地球が宇宙の中心にあって動かず、
他の天体が地球のまわりを回っている、
という説。
対して「地動説」は、地球が動いている、
(そして、他の天体も動いている)とする説。
現在は「地動説が正しい」と思えるように
なってきたんだけれど、
恥ずかしながら、
地動説を理解したのは、
ほんの数年前のことのように思う。
それまでは、
「まぁ、“地動説”が正しいんだろうな」
とは思っていながらも、ふり返ると
実際は“天動説”派だったように思うんだよね。
ただ。
ここで私が言っている
「天動説」「地動説」は、
天体のことではなく、人間社会でのことだ。
「相手のことを考えて行動しましょう」
「人生の秘訣は、与えることである」
なんていう言葉は、言われ方は違えど
幼いころから聞いて来たし、知っていた。
でも、そんな考え方を知りながらも、
数十年間は、
「そうは言っても、
私の世界は、私を中心に回っているよね」
と、心のどこかで考えてきたように思うし、
実際の行動は、
「まず自分ありき。
そこに他の人が動いている」
という事ばかりだったように思う。
これって、完全に
「自分が中心で、他の人が自分の周りを
回っている」
という“天動説”に他ならないと思うんだよね。
頭では
「自分は他の人の中で生かされている。
自分も、他の人と同じく動き、回っている」
という“地動説”があるのも知っている。
でも、現実には
「いや、そうは言っても自分だろう?」
と、宇宙の真理をねじ曲げて
“天動説”で行動していたように
思うんだよね。
それが、ここ数年、
ごく当たり前な形で
「相手のことも考えながら行動をした方が
すべてが自然に回るよね」
「まず相手にできることを考えた方が、
結局は全体がうまくいくよね」
と実践している人がまわりに多くなってきたおかげで、
「ああ!世の中っていうのは、“地動説”で回っているんだ!
今までの私は、本当のことをねじまげて
“天動説”で生きてきちゃったんだ!」
と、やっと、
本当にやっと、思えるようになったんだよね。
とはいえ、
もちろん、いつもいつも100%完璧に
「相手があって、自分がある」
という“地動説”を、つい忘れて、
いつのまにか“天動説”になっちゃっていることもある。
けれど、
「真実は“地動説”なんだ!」
というパラダイム転換が起こったことで、
やっと色んなものから脱却して、
世の中を見ることができるようになってきていると思う。
そして。
僭越ながら、世の中のほとんどの人は
「そうは言っても、自分を中心に動いている」
という“天動説”派が、まだまだ根強いなぁ、と
改めて思う次第。
口では「お客様のため」とか「まずは与える」
みたいなことを言っているのに、
実際の行動では、自分の利益を優先する。
というか、
あまりにも“天動説”で生きている時間が長すぎて、
自分が“天動説”で生きている事にすら気がつかない。
そんな感じがするんだよね。
もちろん、誰がどんな風に生きても全然構わないし、
私も他の人に偉そうに言えるような人間じゃない。
ただ、
いろんな事に悩み、苦しみ、
毎日の生活に矛盾を抱えまくっている人が
“天動説”にしがみついているのを見ると、
「一回“天動説”を手放してみればいいんじゃない?」
という、パラダイム転換のお勧めをしてみたくなる。
相手にどうやって“天動説”から“地動説”の
パラダイム転換をしてもらうのかは、
現時点では解答は無い。
すっげー難しいんだよね。パラダイム転換(笑)
一回気づいてしまったら、
自転車に乗れるようになった時のように
「なんで今まで乗れなかったんだろう??」
と思えるほど、難しいことではないんだけれど。
一個一個の事象では、
「じゃあ、まず相手の話を聞いてみれば?」
とか、
「お客さんの立場になってみたら?」
みたいな助言は受け入れてもらえるんだけれど、
その人の本質的パラダイムを転換するまでには
至らない。
「いや、もう充分に相手フォーカスですよ」
とか、
「私は与える人ですよ」
とか、
「いつもWin-Winを考えています」
と口で言っている人であればあるほど、
「そうしている私をみんな見て!認めて!」
と、必死にアピールしているような人も
中には、いる。
「もう、自分中心で回っているという
“天動説”で矛盾を抱えまくっているなら、
“地動説”にパラダイムを切り替えてみれば?」
と思うんだけれど、なかなかそうはいかない。
と、偉そうに上から目線で言っている私自身も、
ほんの数年前までは、人生の中で一回も
“地動説”で行動していなかった。
たぶん、そんな私を見て、
先輩“地動説”グループの人たちは
あきれ返っていたと思うし、私から離れて行ったんだろう。
今だって、私自身、どこまで“地動説”を
腹に落としているかなんて自信がないし、
ちょっとピンチになったら、
すぐに“天動説”派に寝返るかもしれない。
だから、
自分の昔の「もがき」を踏まえたうえで、
現在“天動説”100%で生きている人に伝えたい。
「もしかしたら、
“地動説”というパラダイムも持った方が
毎日が楽になるかもしれないよ」
「今までのパラダイムを手放すのは苦しいけれど
お互い、ちょっとずつやってみない?」
ってね。
この話、どこまで伝わるのかわからないけれど、
お互いに、本質的なパラダイムで生きていきたいものだよね。
ではでは。