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伝える=思いの料理

「イグさん、文章とかトークのコツを
 教えてくださいよ、サクッと」
 
みたいに言われることがあるので、
そういったセミナーもやっているんだけれど、
ざっくりと
 
「伝えるって、どういうこと?」
 
というのが、ある。
 
 
文章にしても、トークにしても、
伝えるというのは
 
「自分の思いを料理すること」
 
だと考えている。
 
 
自分が「こう思う!」「相手にこうして欲しい!」
というのは、いわば
 
「食材」「素材」
 
みたいなもので、そのまま何も加工せずに
相手の口に押し込むように伝えても、
なかなか伝わらない。
 
 
それが、いいネタ・話題で、
相手もそんなジャンルが好きだったら、
喜んで「食べて」くれるだろうけれど、
いつも、そんなわけにはいかない。
 
 
 
相手に合わせて、自分が持っている話題と
相手に伝わって欲しい思いを「調理」する。
 
 
 
話題という食材についている
無駄な部分は、洗ったり、剥いたりした方がいい。
 
 
相手が咀嚼できないような固い話だったら、
柔らかく火を通した方がいいだろう。
 
 
相手によって、やさしく甘いテイストを加えたり
ピリリと辛いテイストを加えたりすることもあるだろう。
 
 
相手が一番食べやすいようなサイズにして、
相手が喜んで受け入れてくれるようにする工夫もあるだろう。
 
 
また、本来の味には関係なかったとしても
楽しい雰囲気を盛り上げるために、
自分の話題と想いをデコレーションしたり、
素敵な「食器」に盛ったりすることもあるだろう。
 
 
もしかしたら、相手にとって
本当に大切な話なんだけれど、
相手が受け入れてくれない時には、
 
「ハンバーグの中に
 ニンジンやピーマンをみじん切りにして入れる」
 
みたいに、こっそりと話題を入れることもあるだろう。
 
 
 
 
 
素材である話題を、そのままゴロンと
相手の前に差し出すのではなく、
 
「どうやったら、おいしく食べてもらえるかな?」
 
と、相手のことを考えて、愛情を持って準備する。
 
 
そして、話題がまだ温かいうちに
相手の目の前に届けて、味わってもらう。
 
 
そこには、やはり相手に対する思いやりが
必要なんだろうな、と。
 
 
 
 
私も、いつも、誰にでも
素晴らしい提供ができているわけでもない。
 
 
相手への思いやりや愛を忘れて、
 
 
「激辛・生焼け・ひと口では食べられない」
 
 
みたいな言葉を、無理やり相手に
押し込んだことだってある。
 
 
でも、
 
 
そんな反省の中で
できるかぎり、相手に合わせた調理をして、
 
 
「おいしい。ありがとう」
 
 
と言ってもらえるような
言葉の使い手になりたいものですわ。
 
 
 
言葉のコックさんとしては、
おいしく笑顔で話題を食べてもらえることが
最高の喜びだからね。
 
 
文章を書く時、話をする時、
 
「あ、私の話題は、相手にとっては、
 まだ食材なんだ」
 
「じゃあ、どうやって料理しようかな?」
 
と、いったん「アタマの中のキッチン」に
持っていくのもアリかもしれないよね。
 
いつもありがとう。
 
 
ではでは。

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