先日、ラスベガスに行って来た友人が
おみやげ話を披露してくれたんだけれど、
その中で、
「いろいろと楽しかったけれど、
正直、食事は他の海外と比べると
あんまり、口に合わなかったなぁ」
と話をしてくれた。
友人は仕事の関係で、
様々な海外に飛んでいる人なんだけれど、
「やっぱり、その地域に住んでいる人が
連れて行ってくれる、
地域住民に愛されている飲食店が一番おいしい」
「その点、ラスベガスは基本的に
“いちげんさん”を相手にしているから、
お客さんを席に座らせたら勝ち!みたいに
看板だけ派手で、味はイマイチだった」
という意見を教えてくれた。
もちろん、これは個人の意見であって、
「ラスベガスは料理も最高!」
「ラスベガスで食べた、あの味が忘れられない!」
みたいな人もいるだろう。
その上で、
「ああ、たしかに2つの戦略があるんだろうな」
なんてことを考えさせられた。
2つの戦略、というのは、お店にとって
「地域に根付いた人を相手にするのか?」
というのと、
「基本、いちげんさんを相手にするのか?」
という、フォーカスの違いだ。
店をやっている側からしたら、
それは当たり前の話で、どちらが悪いという訳でもない。
地域に根付いた人、地元民を相手に商売をするのであれば、
・外装は地味でも、徐々に広がればいい。
・必ずしも一等地である必要はない。
・品質が良くないといけない。
飲食店なら、味。
・他店と競争というよりは、共生。
・しつこい売り込みなどは、しない。
・価格は、何回も来てもらうためにリーズナブルに。
という方に努力をして、地元で愛されて
リピーターを増やしていくのが基本路線だ。
そうではなくて、観光地などだったら、
・パッと見、美味しそうに派手にする。
・場所が大事。
・品質は大したことなくていい。
どうせ一回しか来ないから。
・他店よりも目立つことが大切。
・ひとりのお客さんに、いかに売るか?
・価格は高めでも、お客さんは来る。
という戦略をとる。
それは、観光地の人がワルだから!
ということではなく、そういう戦略をとらないと
生き残れないからだ。
それは、生物の進化と同じように
「強いものが勝つのではなく、
環境に適応したものが生き残るのだ!」
という論理なので、観光地は観光地で
それぞれ努力されていると思う。
ただ。
じゃあ、自分がお客さんの立場だったら、
どっちに行きたいか?というと、
個人的には、「地元民戦略」をとっている
リーズナブルで、美味しいところに行きたい。
そりゃ、
「はるばる来たぜ観光地、ウェーイ!!」
みたいな感じで、その土地の名物を
一回くらいは食べてもいいけれど、
どうせだったら、地元の人に愛される
美味しいものを食べたいなー、
なんて思う今日この頃。
そして。
この「観光地戦略」と「地元民戦略」は、
どんな商売であれ、そして人間関係であれ
同じような性質を持っているな、と思う。
つまり、
あなたに何かを売ろうとしている人や、
あなたに近づいてくる人は、
あなたのことを
「観光地の異邦人」
と思っているのか?それとも
「ずっと付き合う、地元民」
だと思っているのか?
という違いがあるだろう。
たとえば、
「この人とは、一度しか取引しないだろうな」
と、あなたが思われているのだとしたら、
相手は自分のために、
あなたに
・見た目は華やかで、興味性が高い
・価格は高め。品質は知らん。
・アフターフォローなし
みたいな商品を、力いっぱい勧めて来る事もあり得る。
これの最たるものは、詐欺だろうね。
さらに、
「この人とは、もう会わないだろうな」
と思われながら接してきたら、
同じように対人関係でも「異邦人戦略」を
とってくる可能性もある。
これの最たる例は、たちの悪いナンパかもしれない。
もちろん、最近はネットのクチコミも進歩しているし、
そんなに誠意のない人ばかりでもない。
ただ、
もし大きな買い物をしたり、
自分にとって大きな決断をするのであれば、
「相手にとって、私は
一回限りの“異邦人”になり得るのか?
それとも、“地元民”のような存在なのか?」
「相手は、どれだけ“根付いて”いて、
仮に私を裏切ったら、相手はどれだけのものを
失うのだろうか?」
ということも、一応考慮してみても良いかもしれない。
詐欺に会ったり、ナンパで泣いたり、
おいしい思いをチラつかされて裏切られたりするのは、
基本的には、あなたは相手に
「代わりはたくさんいる、異邦人の一人」
と認識されている可能性が高いわけだ。
誠実な対応には、「根」がある。
そんな風に思う、今日この頃ですわ。
ちなみに、私のやっているセミナーは
「12か月、絶対に同じ仲間と会う」
という、
「売ったら、ハイさよなら」
という「逃げ」は許されないものなので、
地元民戦略です。
と、たまには宣伝をしてみる(笑)
ではでは。