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時間の尺度

「ドキドキ」という時間単位。
 
 
 
この記事を読んでいる人の中には
知っている人も多いかもしれないけれど、
最近「心臓の寿命」という話を知った。
 
 
哺乳類の心臓の寿命というのは、
15億回の鼓動を刻むと、ほぼリミットらしい。
 
 
人間の場合は、現代の医療(内科、外科、そして入れ歯など)
の力を借りることによって、平均的には
23億回ほどの鼓動を刻んだら、心臓自体は寿命だそうだ。
 
 
 
ハツカネズミは、1分間に600~700回
心臓の鼓動を刻む。
 
それに対して、ゾウは1分間に20回程度しか
鼓動を刻まない。
 
 
 
そして、ハツカネズミの平均寿命は2~3年らしいが、
ゾウは70年近くも生きることが出来る。
 
 
これだけをみると、
 
「ハツカネズミの寿命は短くて、
 ゾウの寿命は、それに比べると長いなぁ」
 
と思ってしまうのが普通だろう。
 
 
 
 
 
でも、
 
 
「心臓の鼓動」という「時間単位」ではかると、
実はハツカネズミもゾウも、「同じ長さ」
生きているという理屈も成り立つわけだ。
 
 
ハツカネズミから見たら、ゾウなんて
20~30倍スローな世界で生きているので、
動いているように見えないだろう。
 
「ただじっと止まっているだけで、
 それで長く生きたとしても、何が楽しいんだ?」
 
と思えているだろう。
 
 
 
 
逆にゾウの世界から見たら、
ハツカネズミは存在が見えないくらい早い。
 
「そんなに生き急いで、どうする?」
 
ってなもんだ。
 
 
 
 
そう考えると、私たちからは
ほぼ止まって見える樹木は、
 
「人間ってのは、ハツカネズミみたいに
 あくせくしているなぁ」
 
なんて見えているのかもしれないね。
 
 
 
人間の寿命を80年。
ハツカネズミの平均寿命を2年半とすると、
約32倍の開きがあることになる。
 
つまり、人間にとっての1日でも、
ハツカネズミにとっては、1か月くらいの
充実度があるのかもしれない。
 
 
 
 
 
普段、私たちが意識する時間単位というのは、
 
1秒、1分、1時間、1日、1か月、1年
 
という、人間の尺度で決められた単位だ。
 
 
でも、それは単に人間が勝手に作り上げた
時間の単位。
 
 
他の切り口も、たくさんたくさんあるんだろうなぁ、
なんて感じたんだよね。
 
 
 
 
そして。
 
 
さまざまな「時間単位」があるとすれば、
人間個人個人も、一人ひとり固有の「時間単位」を
持っているのかもしれないなぁ、
 
なんて思ったんだよね。
 
 
 
 
多くの事をこなす人。
 
じっくり、ゆっくり物事を進める人。
 
 
生き急いでいるかのように
人生を突っ走る人。
 
 
他の人から見ると
「退屈しないのかな?」
と思うような、同じような毎日を繰り返す人。
 
 
 
おそらく、それぞれの時間の流れの感じ方、
そして、時間の単位を持っているのかな?
と思うんだよね。
 
 
 
そして、
 
「私の生涯は、とても充実したものだった」
 
と、生涯をしみじみ振り返るハツカネズミとゾウの、
そのどちらも批判できないのと同じように、
 
 
人それぞれの時間の過ごし方に
アレコレ言ってみたりするのは、
お門違いな事なんだろうなぁ、なんて思っちゃったんだよね。
 
 
 
 
あるハツカネズミが
 
「私の人生、完全燃焼!生き切ってる!」
 
と言っているそばで、

「私は仲間に比べて、もう60日も長生きしている。
 あなたも無理せずに生きることをアドバイスするわ」
 
なんて言っているハツカネズミもいるとしても、
私たちから見たら、
 
「どっちも好きに生きればいいんじゃない?」
 
と思うよね。
 
 
ドキドキしながら毎日を生きるのもいいし、
 
ドキドキせずに、のんびり過ごしていくのも
それはそれで素敵な人生だ。
 
 
 
そこに劣等感や優越感をいだいたとしても、
他の視点から見たら、大したことじゃない。
 
 
問題は、「本人が充実しているかどうか」だし、
それで命短くなろうが、長生きしようが
それは単なるひとつの時間の尺度で計っただけにすぎない。
 
 
それぞれの人が良いと思う日々が積み重なって行ければ
それが一番いいなぁ、とあらためて感じた次第だよ。
 
 
あなたが、あなたの時間を送れますように。
 
ではでは。
 

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