先日、ビジネスパートナーが講師をつとめる
記憶術コンテンツを学んできた。
その中では、脳の構造から導き出される
「記憶」というメカニズムからはじまり、
実際に記憶するための具体的テクニックまで、
実に多くのことを学ばせてもらった。
その中で、特に「なるほどなぁ」と思ったのが、
「記憶の3ステップ」についてだった。
記憶の3ステップについて
簡単に説明すると、
記憶というものは、3つのステップから
出来上がっているそうで、
ステップ1:「記銘」
ステップ2:「保持」
ステップ3:「想起」
という段階があるそうだ。
ステップ1の「記銘」は、いわゆるインプット。
記憶するものに触れて、それを覚えようとするステップだ。
具体的には、英単語や歴史の年号を覚えようとしたり、
芸能人や友人の顔と名前を一致させたり、
本やセミナーの内容に触れていたりする段階。
ステップ2の「保持」は、インプットした記憶を
キープしている状態。
覚えたものが、覚えたままの状態で
脳内に入っている状態が「保持」されている状態。
時間の経過とともに、せっかく覚えたものが
あやふやになっていったり、一部(あるいは全部)を
忘れてしまうのが、「保持」されていない状態だね。
そしてステップ3、「想起」がアウトプット。
インプットして、キープしていたものを、
自分の外に発信する場面ね。
たとえば、芸能人とかの話題をしている時に、
「えーと、あの、あの人!なんだっけ!!?」
「喉まで出かかっているんだけれどなぁ」
というのは、「保持」はされているんだけれど
「想起」できない状態、ということらしい。
(まぁ、「保持」が一部という時もあるんだろうけれど)
なので、
「最近、固有名詞が出てこないで
“あれ”とか“それ”が多くなったなぁ」
とお嘆きの方(私も含む)は、
記憶術的には、3ステップのうち、2ステップは出来ているので
ほんのちょっと頑張れば大丈夫だそうだ。
ああ、ほっとひと安心(笑)
さて。
さてさて。
ここからが本日のメイン。
記憶をするためには、3ステップのすべてが大切なんだけれど、
特に「記憶の定着」という意味においては、
この3段階のうち、特に重要なのは、どのステップだと思う?
答えを聞けば「ああ、なるほど」と思うんだけれど、
ちょっと意外だった。
答えは「想起」。
3ステップ目のアウトプットが、最も大切なんだって。
たしかに、学生時代テスト勉強の一夜漬けでインプットしたものは、
もう記憶の片隅にも残っていない(笑)
なのに、日々アウトプットしている事に関しては、
聞く人が聞いたら
「なんでそんなに覚えているの?」
というものも多いだろう。
なので。
「なにがなんでも覚えたい!」
「マスターしたい!」
と願っている事柄に関しては、
とにかくガンガンアウトプットしたほうが良いみたいだね。
とはいえ、壁に向かってアウトプットしていても
アウトプットした後に空しくなるだろうから、
できれば誰かに向かってアウトプットし続けるのが
いいのかもしれない。
まぁ、覚えたいのが英単語とかだと、
友達に英単語を語り続けると
友達がいなくなりそうだけれど(笑)
で、
考えてみると、色んな事で上手く行っている人は
惜しみなく、誰にでもアウトプットしている人が
多いような気がする。
もちろん、
「聞く人のためになれば」
という優しさも大前提としてあるのだろう。
その上で、実は意識しているか無意識かは別として
「アウトプットすることによる記憶の定着」
の効用を、実感しているのかもしれない。
もちろん、相手が知りたい事を提供しないと
「ただの知ったかぶり」
「ウザめのドン引きオジサンオバサン」
になっちゃうんだろうけれど、
アウトプットは、できるかぎりガンガンやった方が
良いみたいだね。
さらに。
たぶんこの「想起」という作業は、
もっと大きな効果も生み出すように思う。
たとえば、あなたが今
実現したいことがあるとする。
ダイエットとか、お金を稼ぐとか、
パートナーを作るとか、さらに大きな夢とか。
それも
「本当になりたい姿」
「こうあるべきだと思っている状態」
を「想起」し続けることで、実現するような気がする。
目標とか夢を設定することは大事。
でもそれは記憶術で言うところの
「記銘」=インプット
が終わっただけの状態。
そしていくら「保持」=キープしていても、
それだけでは、足りないのかもしれない。
今、どんなに大変だったとしても、
「ホントにコレが、将来につながっているのかな?」
と不安になったとしても、
「本当になりたい姿」
「こうあるべきだと思っている状態」
を「想起」するのが、とっても大切だと思う。
頭だけでなく、腹に落とすような感じで。
私の友人たちは、
4畳半の家に住んでいようとも、
従業員に全員いきなり辞められようとも、
職場でいわれのないパワハラを受けようとも、
末期のがんであると宣告されようとも、
輝かしい未来を「想起」し続けて、
自分の思い描いた状態を手に入れた人たちが何人もいる。
それはもう、パラノイア(偏執病)レベルで
「だって、絶対輝かしい未来が待ってるし」
「今がおかしい」
と思っている人が、結局実現を果たしている。
たぶん、「想起」すれば、
それがコンパスとなり、
自分にとっての幸せを見失うことなく歩けるのだろう。
そして、記憶が完全に定着するのと同じように
自分の思い描いた未来が腹に落ち、
完全に定着した時に
思い描いた未来は、現実の今となるのかもしれない。
さてさて。
この話を聞いて、
あなたが「想起」するものは、一体なんでしょう?
ではでは。