先日、昔からの友人と飲んでいた時の話。
(いつもスミマセンねぇ、飲んでばかりで)
その友人は、ビジネス構築のプロで、
これから起業したい人とか起業したての人のために
私塾を開いていたりするのね。
で、私塾から卒業した人とも
ずっと仲良くしているらしいんだけれど、
何人かは連絡が取れなくなっちゃうんだって。
そうなるとやはり気になるから、
他の塾生に、音沙汰のなくなった人の様子を
うかがってくるように頼むのだそうだ。
すると、音沙汰の無くなっている理由が
ほぼ100%同じなんだって。
その理由と言うのが、
「いや、先生には会いたいんですけれど、
まだ何の成果も出ていないんで、
会わす顔が無いんですよ」
というものらしい。
私の飲んでいたビジネスの先生である友人は、
苦笑いをしながら、こう話す。
「面白いよな。
成果が出てないなら、余計に会いに来ればいいのに」
私自身もセミナー講師をしているから
友人の気持ちがわかる。
分からないで悶々としているくらいなら、
聞きに来てくれた方がいいのに、と思う。
ただ、
「成果が出ないから、会いに行けない」
と思ってしまう塾生の方の気持ちも、
よぉーく分かる。
なんか、やっぱりカッコつけたいと言うか、
自分のダメなところは見せないようにしたい。
そんな心理が働いちゃうのも、事実だ。
でも、
それって、結局、なんのために塾に入ったのかが
よくわからない話だ。
まるで、
「今日は、ハウスキーパーさんが来るから、
お部屋をキレイにしておかなくっちゃ」
と、ハウスキーパーさんが来る前に
せっせと掃除をしちゃっている状態に近い。
ハウスキーパーさんは、
部屋を掃除するのが仕事なので、
部屋が汚くても気にしない。
むしろ、完璧にきれいな部屋だったら
ハウスキーパーさんは不要になってしまう。
同じように、ビジネス塾の先生としては
成果が上がっていなければ、
成果を出せるように指導するのが仕事だ。
塾生が悩むところは、すでに先生は悩んで
解決した経験がある事が多いし、
そうでなかったとしても、一緒に考えた方が早い。
だから、悩みを素直に相談に来てくれるのは
むしろ大歓迎なのだ。
逆に、一番困るのは、
「できているフリ」
「わかっているフリ」
をされることだろう。
例えるならば、メガネ屋さんで
メガネを作ってもらうのに
「視力が弱いことがバレたら
なんかカッコ悪い」
と、視力検査のボードを丸暗記するようなものだ。
そんなことをされたら、
どんなに優秀な眼科医、メガネ屋さんでも、
その人にマッチしたメガネを用意するのは不可能だ。
「ここまでは分かる」
「それ以上小さくなると分からない」
が正しく申告されてこそ、
正しい度数のメガネを作ることが出来る。
なので。
もしあなたが、何かを教えてもらう時には、
変なプライドは置いておいて、
「ここが分からないです」
「うまく成果が出ないので、助けてください」
と言うのが良いと思う。
というか、それが教えてくれている人に出来る
最大限の貢献だし、マナーなんじゃないかな?
なんて思うんだけれど、どうだろう?
もちろん、教えてくれる人のペースを必要以上に乱したり、
どこまでもタダでクレクレ言うのは
別の意味でマナー違反かもしれない。
でも、
「分からない自分」
「成果が出ない自分」
を、見事にさらけ出して、素直に聞いて行動する。
その結果、成果が出るのがもちろん最高だし、
たとえそれでもまだ成果が出なかったとしても
教えてくれる人は、
「じゃあ、もう少し違ったアプローチをしよう!」
と、丁寧に教えてくれるはずだ。
(あなたが選ぶ先生ならば、
そういう先生が多いはずだ)
マナーとして、恥をさらす。
大人になればなるほど、けっこうなハードルになるけれど
お互いに頑張ってさらして行きたいものだよね。
ではでは。