そのロープの片端には
「大好き」が。
そしてもう一方の端には
「大嫌い」がありました。
ある人は、
「大嫌い」がなくなったら
もっと素敵なロープになると思い、
「大嫌い」の端を切りました。
「ふぅ、これで気持ちよく過ごせる」。
ところが、
しばらくすると、いつの間にか
また「大好き」の反対側の端は
「大嫌い」になっているではありませんか。
「おかしいな、さっき切った時は
気づかなかったのに」
その人は、また
「大嫌い」の端を切りました。
「大好き」だけになったら
幸せに暮らせると思ったからです。
しかし。
「また大嫌いができている、切ろう」
「大好きの端にも、嫌いな色が混ざってる。
そこは抜こう」
「なんで、大好きばかりにならないの?
また切らなきゃ」
「私ばっかり、なんでこんなことを
しなきゃいけないの?」
切って、抜いてを続けても
いつまで経っても、「大好き」だけの
ロープにはなりませんでした。
どうしても「大好き」の反対側の端は
「大嫌い」になってしまうのです。
そうしているうちに、
そのロープは、細く、何も結べないほど
短くなってしまいました。
「おかしい。
私は何も間違ってないのに、
なんで何も結べなくなっちゃったの?」
そう。
そのロープの名前は
「ご縁」でした。