なんだか分からないんだけれど、
最近いろんなところで、
よく突き付けられている問題がある。
それは、
「心」と「仕組み」の問題。
「理念」と「構造」と言ってもいいかもしれない。
なんか固い印象を受けるかもしれないけれど、
ほら、私ってビジネスセミナーとかをやっているじゃない?
それだからなんだろうけれど、よく、
「お金を稼ぐためには?」
みたいな質問が来るわけ。
その質問内容が、だいたい2種類に分別されていて、
1つは、
「お客様のためを思えば、お金はついてきますよね??」
というタイプ。
そしてもう一つは
「稼ぐスキルや方法を学べばオッケーですよね?」
というタイプ。
まぁ、私よりもビジネスにおいてスゴイ人はたくさんいるから
私が語るのもおこがましいんだけれど、個人的には、
「両方、ノー」。
。。。っていうか、
「片方だけだと、ノー」。
お客様のことを思って、寝る間も惜しんで働いている人は
この世にたくさんいる。
ただ、そういう人たちが全員お金持ちか?というと、
そんなことは全然ない。
お客様の事を心から考えている人が疲弊して、
お客様の事ではなく、
お客様の持っているお金の事だけを考えている人が
どんどんリッチになったりもする。
また、
「稼ぐ仕組み」を作った人はたくさんいて、
そういう人たちはガンガン稼いだりもする。
でも、それは短期的。
「ワタシ、稼いでイマス」
っていう顔をして、内情は火の車なんていう
個人や組織はたくさんあるし、
そうでないにしても、継続的利益を上げるのに
ハートがないところは、非常に難しいように思う。
リピーターがつかずに、ずっと「焼き畑農業」みたいな
ビジネス遊牧民になり、最後は砂漠しか残っていない、
なんて人もいる。
「心」「理念」と、「仕組み」「構造」。
これが両輪になって、はじめて稼働するんじゃないんかな?
と思ったりする。
それは、別にバリバリビジネスの話だけじゃない。
たとえば、医療現場。
多くの技術の粋が結集するのが現代医療で、
そこには「仕組み」「構造」の思考がなければ
1秒たりとも稼働しないものも多いだろう。
しかし、その根底に「人の心」がなければ、
「何のため延命するのか?」
「何のために治療するのか?」
という話が置いてきぼりになり、
「治せるんだから治す」
「命があれば、尊厳は関係ない」
という、本末転倒な状態にすら陥る可能性がある。
他にも、たとえば、宗教。
原初をたどれば、どの宗教も
「心」を平穏にするために生まれたのかもしれない。
ただ、そこに組織だった構造があるからこそ
今も存続しているのだろうし、構造がお粗末な宗教は
長い歴史の中で葬り去られてきたのだろう。
ひとりひとりが救われるはずの宗教が、
その構造のために人を狂わせる、という悲劇も
何回も繰り返されてきたとも言えるのかもしれない。
さらに、たとえば、家族。
家族、というのも、冷たい見方をすれば
ひとつの構造とも言える。
ただ、そこに互いを思いやる愛があるのかないのかで
その形は天と地ほどの差を生みだす。
かと言って、
「愛があれば」
といって、衣食住その他の構造をないがしろにすれば、
大切な思いやりも枯渇しかねない状況にもなるだろう。
。。。と、なんか固そうに色々書いたけれど、
最近、この「心」と「仕組み」について、
ホント色々と考えさせられるんだよね。
両輪なので、どちらが欠けても難しい。
ただ、
色々と見ていると、うまくいくパターンは
「心から始まり、仕組みに行きすぎたあと、方向修正する」
というのが良いみたい。
儲ける技術に偏ったところが、
途中からハートを持つ、という事は極めて難しい。
「うまくいってるから、いいんじゃない?」
と、構造偏重の人は、たいてい聞く耳を持たないし、
そのハートの部分も
「儲けるための歯車のひとつ」
として扱うので、理念がなくなる。
結果として、破滅するまで仕組みを動かし続けるはめになる。
だからといって、ハートを持って、
仕組みをバランスよく取り入れよう、というのも
けっこう難しい。
ハートを持っている分、自分の中の
「ビジネス上の禁じ手」
が多くなり、なかなか効果を出しにくく、
本当に必要としている人のところに届かないまま
貧しく終わる。
なので、
根っこにはハートや理念を持ちつつ、
本当に大切な部分以外は「禁じ手」に縛られ過ぎないように
仕組みを整えてゆく。
そうしていくと、きっと行き過ぎることもあるだろうから、
「おっと!いけないいけない!」
と、理念を思い出して立ち返る。
そんなバランスがいいんだろうなぁー、
なんて思いますわ。
。。。まぁ、
「じゃあイグゼロよ、自分はどうなんだよ!?」
と聞かれると、どこまで出来ているのかは分からないんだけれど、
気をつけて行きたいと思いますわ。
で、
おそらくは、私の記事を読んでいる人は、
どちらかというと
「ハート過多」
な人が多いと思われるので、
「これは禁じ手!」
だと思っているハードルを、少しだけ下げてみると
思ったよりもビジネスが広がるかもしれませんわ。
自分がやろうとしているハートを灯台にして、
少し冒険してみるのも、アリかもしれないよね。
ではでは。