きまぐれで配信している
「ナナメから昔話」シリーズ。
シリーズの説明としては、
「昔から語り継がれている童話や逸話を
あえてナナメから読むと、どうなるか?」
という、すごくシンプルなもの。
今までも白雪姫やら一寸法師やらシンデレラやら
はては七夕の織姫と牽牛とかも
ナナメに読み解いてきました。
そんでもって今回は、名作『みにくいアヒルの子』です。
あらすじを簡単に振り返っておくと、
むかしむかしあるところにみにくいアヒルが生まれて、
親兄弟にその容姿について揶揄され続けたあげく
ノイローゼになったんだけれど自分が白鳥だったことを知り
コンプレックスから解放されて今度は自分が
強い立場になったことに酔い知れましためでたしめでたし。
という物語。だよね?(笑)
さて。
まず、この物語で一番の悪者と言えば、みんな
「白鳥のお母さん」
を挙げると思う。
だってさ。
自分の子供(卵)なのに、
ナニ、アヒルの巣にまぎれこませてるの?
一体、なにを托卵でるの?
あなたはカッコウなの??
と、小一時間ほど説教をしたいレベル。
白鳥のお母さんの
「あ、やっちゃった☆ てへぺろ」
な行為で、主人公である白鳥は、
自分の容姿について、持たなくてもよかった
コンプレックスを抱くことになっちゃっているわけだから、
ホント、重罪に値するよね?
それにひきかえ、アヒルのお母さんは、
「この子、私の子じゃないのでは??」
と、潜在的に察知してのイジワル行為だから、
まだ許せるように思う。
もちろん、
「ああ!あなたは私の子じゃないかもしれない!
でも、私はアナタを愛すわ!
だって、これも巡りあわせですもの!!」
みたいに分け隔てなく愛を提供すれば理想的だけど、
現実の人間社会には、さまざまな葛藤があって
しかるべしだろう。
(フィクションのアヒル社会だけれど)
その点。
偉かったのは、主人公のアヒル。
(このナナメ読みシリーズで、
主人公が褒められる事はめったにないから、
よけいスゴイ)
一番信頼したいはずの家族から
「みにくい」
と、コンプレックスを植え込まれたにもかかわらず、
「それでも、ぼくを許容してくれるところが
あるはずだ!」
と、いろいろな場所に渡り歩いた。
ここがスゴイ!
考えてみ?
この主人公が、もし
『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子:著)
とか読んでいたら、めっちゃ辛いぜ!?
自分を受け入れない場所で
「咲きなさい」
て言われても。。。。
まぁ、やり方はあるかもしれないけれど、
他のアプローチもありますやん??
著者の渡辺さんも、北海道生まれなのに
いろんな場所に行ってますやん?
(別に渡辺さんのことが嫌いなわけではありません)
なので、本当に、「みにくいアヒル」さんが、
自分さがしの旅に出てくれたことに
ほっとする物語だよね?
話がどんどん脱線しますが、
とある女子が言っていたんだけれど、
「モテる秘訣」
は、
「自分がモテる場所にいること」
だそうです。
もちろん、本人なりの努力はするんだけれど、
自分のことを大切にしてくれる男子たちがいるところに
身を置く。
すると、自分の女性としての魅力も上がるし、
プラスのスパイラスに入っていける。
どちらにしても、全世界中の男性に
言い寄られることはないんだから、
「サークルの姫」
的に、自分を大切にしてくれる居場所を見つければいい。
ということだった。
たしかに、ずーっと
「ココは、チガウ!」
と、自分探しをしているのは、もったいない。
てか、イタい。
でも、
「置かれた場所で咲かないと!!」
と、我慢を重ねていても、けっこうキツい。
ちょっと周囲に目を向ければ、
自分の居場所は、見つかると思うんだよね。
「みにくいアヒル」だって、
母を訪ねて三千里も旅したわけじゃなく、
自分の生まれた池の周囲で、
「アヒル社会ではない、自分の居場所」
を見つけたわけだから。
ってなワケで。
ヒマワリがツンドラで
「置かれた場所で咲きなさい」
と言われてもキツイし、
サボテンが湿地帯で
「置かれた場所で咲きなさい」
と言われてもキツイ。
自分を知って、自分の居場所で咲く。
自分が穏やかに居られる居場所でもいいし、
華やかに激しく生きろ!と
「バラはバラは~気高くぅ~咲~い~ぃて~
バラはバラは!う~つくぅしぃくぅ、ちぃるぅ~」
と熱唱しながら、自分を盛り上げてもいい。
ただ、
「自分の居場所」
は、必ずしも白鳥のような美しい世界じゃないかもしれない。
(そもそも、なんで アヒル<白鳥 みたいな前提なんだ?)
自分の居場所が見つかったとしても、
そこでの悩みもあるだろう。
「みにくいアヒル」であった主人公の白鳥も、
「生まれた時にアヒルだと思ってたヤツ ワロタwww」
みたいに言われることも、あるだろうからね。
なので、
自分の居場所だと思ったら、
そこでがんばる気持ちは大切なんじゃないかな?とも思う。
「身を置く場所を決めて、
決めたら咲くまでがんばりや」
ということなのかもね。
ってなわけで、
自分のコンプレックスである過去を暴露してまで
私たちに勇気を与えてくれている「みにくいアヒル」さんに、
惜しみない拍手を!
ではでは。