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ドラマ症候群にご用心

先日、まぁいつものように
友人4人で飲んでいた時の話。
 
友人のうちの1人は、特に勉強熱心というか
向上心の高い人で、私を含めた3人に
「成功の秘訣」を色々と聞いていた。
 
 
「今の地位を築いた、ターニングポイントは?」
 
「へぇ!あなたの歴史の中で、
 転換点となったのは、どこですか?」
 
みたいな質問を、矢継ぎ早にしていたのね。
 
その質問を聞いていた1人が答えたセリフが、
個人的にはヒットした。
 
 
彼は、こう答えた。
 
「転換点?あるよ。
 
 ただ、ポジティブな方では、
 分かりやすいターニングポイントは、ない。
 
 ネガティブな方では、ハッキリ分かる」
 
 
つまり。
 
「私が成功の階段を登り始めたのは、
 コレがあったからだ!」
 
という、わかりやすいターニングポイントは
存在しない、というのだ。
 
 
もちろん、
一生懸命に、ああでもない、こうでもないと
髪を振り乱しながら試行錯誤していて、
あとで落ち着いてふり返ってみたら
 
「ああ、あの時が転換点だったのかもしれないな」
 
ということは、あるだろう。
 
でも、その「ポジティブな転換点」の前後、
そして背景には、様々な努力や無駄があったりする。
 
なので、他の人から見ると
 
「ここが転機だったんでしょ!」
 
と見えることも、本人からすると、
 
「まぁ、言われてみればそうかもしれないね」
 
という感覚に近いのかもしれないよね。
 
 
 
逆に。
 
ネガティブな転換点というのは、
なぜかハッキリわかる。
 
火事があった。
 
破産した。
 
離婚した。
 
ビジネスが崩壊した。
 
友達から裏切られた。
 
友達を裏切ってしまった。
 
失恋した。
 
大切な人を失った…etc。。。
 
そんなポイントから、歯車がうまく
かみ合わなくなってしまった、ということは
自覚があったりするんだよね。
 
  
まぁこれは、ポジティブな事に関しては
努力してきた記憶があって、
 
ネガティブな事に関しては、
自分がサボってきたり、傲慢だった記憶が希薄だ、
という、都合のいい理由にもよるんだろうけれどね(笑)
 
 
 
「ポジティブなターニングポイントは分からない。
 ネガティブなターニングポイントはハッキリしている」
 
どう?そうでもない?
 
もちろん人によっては違うだろうし
 
「コレが私の、スーパーターニングポイント!」
 
みたいな事がある人も、中には、いるだろう。
その人は、生まれもってのスター気質だ。
 
 
しかし、私の周りの多くの成功者たちは、
そこまで大きなターニングポイントを経験してはいない。
 
少なくとも、ターニングポイントを体感している、
「今、その時」には、それがターニングポイントだという
認識は、ない。
 
 
ある人との出会いがターニングポイントだったとしても、
その人と出会った瞬間
 
「今、私の中でドラマが始まった!!!」
 
と認識することは、少ない。
 
 
ある商品が、爆発的にヒットしたとしても、
その商品を作った時に
 
「この商品は、私の人生を大きく変えるものになるだろう」
 
と、はっきりとした確信を持っていることは、少ない。
 
 
多くの労力を費やして準備したことも、
普通は「期待以上に素晴らしいこと」を
もたらしてくれることは少ない。
 
「ああ、まぁ、こんなものか」
 
「最高のシナリオと、最低のシナリオの
 中間点くらいだな」
 
と思う事が多い。
 
私自身も、出版して人生バラ色になるかと思ったら
そんな簡単には部数は伸びなかったしね(笑)
 
 
でも。
 
でも。ここからが大事。
 
 
そんな、ドラマチックな転換点がなくても、
多くの人が素晴らしい夢をつかんでいる。
 
自分の成功体験を語る時には、
 
「あれが、私のターニングポイントでした」
 
と語る人もいるかもしれない。
 
 
しかし、その何十倍、何百倍の
「成功者」「夢をかなえた人」は、
ハッキリとしたターニングポイントを持ってない。
 
「ああ、まぁ、強いて言うと、
 あの事かなぁ」
 
とか、
 
「日々、コツコツやっていたら
 結果として、あの事が起こった感じ?」
 
という、あいまいなターニングポイントしかない人も多い。
 
 
なので。
 
あまりに過度な「ドラマ」を期待せずに、
日々コツコツやることの方が、実は大切かもしれないよね。
 
 
すごいドラマが起きることを期待する
「ドラマ症候群」は、ほどほどにしておいた方がよさそうだ。
 
 
もちろん、
 
「ドラマみたいなことがあるといいな」
 
と、ワクワクすることは否定しない。
私も、けっこうなドラマ症候群患者だからね(笑)
 
でも、
 
「ドラマみたいな事がないと成功しない」
 
「ドラマみたいなターニングポイントがないと、
 私はダメなんじゃないか?」
 
と不安になるのは、ちょっと重症すぎる。
 
 
多くの夢をかなえた人は、
映画のようなドラマがあった人ばかりじゃない。
 
ふり返ってみれば、あれがドラマだったのか、
と思うことはたくさんある。
 
ただ、臨場感をもって、リアルタイムに
ドラマチックなことが起きていると実感しながら
成功の階段を駆け上がった人は、
少なくとも私の周りには、ほとんどいない。
 
 
重度のドラマチック症候群になると、
 
「あなたもこれで変わります!」
 
「これさえ買えば、劇的な変化が!」
 
と宣伝する業者に、からめとられてしまう。
 
そんなのに、あなたの人生がからめとられてしまうなんて、
それこそ、もったいないよね?
 
 
 
人生は、ドラマだ。
 
ただ、そのドラマは、
一発逆転のハリウッド映画じゃないことが多い。
 
静かな、小さなストーリーを重ねて、
その紡いできたドラマを後から振り返ると
壮大なドラマになっていた、というものが多い。
 
 
自分の人生に、今までとは違う
ドラマが起きることを、静かに期待しながらも、
足元はコツコツ踏み固めていく。
 
そんなバランスが良いのかもしれないよね。
 
 
あなたのドラマを、直接聞ける時が
あることを願って。
 
ではでは。
 

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