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友情とは、逆仕訳しないこと。

先日、昔からの友人と飲んで来た。
 
 
あらためて言うと非常に照れ臭いが、
「親友」と呼んでいい、とても大切な存在だ。
 
 
 
その人とは、ビジネスの立ち上げ期に
がっつりと組んだこともあるし、
 
私自身が招いた大失態をした時も、
ずっと心の支えになってくれた。
 
 
ものすごく、くだらないことを
ずっと話し続けたこともあるし、
 
将来、どのような人でありたいかを
お酒を傾けながら話したこともある。
 
 
 
気がつけば、
 
 
「ずいぶんと長い間、
 友情の歴史を刻んで来たものだ」
 
 
と、その存在をあらためて深く感じ入るんだよね。
 
 
 
 
そして、ふと思ったのが、
冒頭に書いた「逆仕訳していない」ということ。
 
 
 
どういうことか?というと、
 
 
 
その人には、数えていったら夜が明けてしまうほどの 
数え切れない「借り」がある。
 
 
ビジネス立ち上げのときも助けてもらったし、
 
格安(ほぼ無料に近い)で、
彼のスキルを駆使してもらったこともある。
 
 
落ち込んでいる時には支えてもらったし、
 
シンプルにご飯をおごってもらったりしたことも多い。
 
 
物心両方で、たくさんの「借り」がある。
 
 
 
 
で、
 
 
数は分からないけれど、私も彼に対して
何かしらをやったことは、たぶんあるだろう。
 
 
ビジネス上で、彼がやらないことをやったことはある。
 
私が彼のビジネスの文章を書いたこともある。
 
 
彼がピンチの時には、できるかぎりサポートしたかったし、
 
まぁ、何回かはご飯をおごったこともあるだろう。
 
 
 
 
 
 
でも、
 
 
お互いに
 
 
「あの時の借りを返そう」
 
とか、
 
「前回の貸しを返してもらおう」
 
 
なんて、思ったことがない。
 
 
 
 
 
何かをやったときは、お互いに
 
 
「これは、将来数倍の利子つけて返してもらいますわ」
 
 
とか言うし、
 
 
「うわー、一番借りちゃいけない人から借りちゃったよー」
 
 
なんて言いながら、色々とやってもらったりする。
 
 
 
 
それでも、考えてみると
 
「これは、あの時のお返しね」
 
みたいな事を言ったことがない。
 
 
 
 
 
 
簿記の知識がある人なら
 
「逆仕訳」
 
という言葉は、なじみが深いだろう。
 
 
 
たとえば、誰かからお金を借りた時には、
「借入金」という負債が出てきて、
その変わり「現金」という資産が手元に入ってくる。
 
 
 
そして、借金を返す時には、経理上
借りた時とは逆に、
 
 
「借入金」という負債を、
「現金」という資産を減らすことでなくす。
 
 
その経理処理が「逆仕訳」なんだけれど、
彼とはこの
 
「心の経理処理」

「心の逆仕訳」
 
を、やったことがない。
 
 
 
 
「あの時のお返しに、これをやる」
 
ということはなく、
借りたら借りっぱなし。
 
 
ずーっと「借り」がたまっていく。
 
 
 
 
逆に、
 
 
「以前の借りを返してもらおう」
 
なんて思うことはなく、
貸しがあっても、貸しっぱなし。
 
 
 
 
行為、好意の返済を迫らない、
「無期限の借入」「無制限の貸出」をお互いにしている。
 
 
 
「貸し借りナシ」みたいになることは
たぶんこれからも永遠になく、
 
 
「貸し」も「借り」も無限に増えていく。
 
 
 
 
もし
 
「人間関係の貸借対照表」
 
があるのだとしたら、
 
 
彼に対する「負債」は増え続け、
彼に請求できる「資産」も増え続けている、
と言う状態なんじゃないかな?
 
 
なんて思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
「何事も、シンプルが一番」
 
というのも素晴らしいと思うけれど、
こと人間関係に関しては、
 
 
「なんか悪いから、出来る限り早くお返ししよう」
 
 
とか、
 
 
「早く、恩返ししてもらわないと」
 
 
なんて思うのではなく、
 
 
「借りたら、永遠に借りっぱなし」
 
「でも、貸しても、永遠に貸しっぱなし」
 
 
みたいになると、深い人間関係になるのかもしれないね。
 
 
(まぁ、今回の話は
 非常にとらえ方に左右されると思うんだけれどね。
 感覚的に分かってもらえると、嬉しいです)
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
個人と大富豪では、
大富豪の方が、間違いなく財務諸表は複雑だ。
 
 
たくさんの科目と、
莫大な金額が複雑に絡み合い、
大富豪の資産状況を形成している。
 
 
 
 
ならば、
 
 
もし、
 
「人間関係の大富豪」
 
を目指すのであれば、その
 
 
「人間関係の財務諸表」
 
「心の貸借対照表」
 
 
は、普通の人よりも複雑になるに違いない。
 
 
 
  
「貸し借りなし」
 
 
じゃなくて、
 
 
「貸しも、借りもたっぷり。
 複雑で、一筋縄にはいかない」
 
 
人間関係の財務諸表を持つことになるだろう。
 
 
  
 
特に、自分の大切な人との関係は
複雑な方が、絆が深まるのかもしれないよね。
 
 
 
 
 
 
そんなわけで、荒川さん。
 
これからも大きな「借り」を作りまくっていきますので
どうぞよろしくね!(笑)
 
 
そして、俺ができることがあるのだったら、
いつでも、無制限に借りに来てくださいな。
 
 
 
ではでは。
 

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